中国の探査機「嫦娥6号」が月面離陸、月の裏側で初の試料採取

AI要約

中国の無人探査機「嫦娥6号」が月の裏側で初めて岩石を採取し、月面を離陸した。

嫦娥6号は試料を採取後、中国国旗を掲揚し、地球への帰還に向かって月の軌道に入った。

試料は6月25日ごろ内モンゴルに着陸する見通しであり、月の試料採取は中国にとって2回目となる。

中国の探査機「嫦娥6号」が月面離陸、月の裏側で初の試料採取

香港(CNN) 中国の無人月探査機「嫦娥(じょうが)6号」が4日、月の裏側で初めて採取した岩石を格納して、月面から離陸した。中国の宇宙超大国としての台頭を見せつける野心的なミッションは、これで完了に近付いた。

中国は嫦娥6号の離陸前に、世界で初めて月の裏側で国旗を掲揚したと報じられている。

中国国家航天局の発表によると、嫦娥6号は2日間にわたって試料を採取した後、月面を離れて北京時間の4日未明に月の軌道に入った。

地球への帰還にはおよそ3週間かかると推定され、6月25日ごろ中国の内モンゴルに着陸する見通し。

2020年には嫦娥5号が月の地球に面した側で採取した試料を持ち帰っており、中国による月の試料採取は今回が2回目だった。

国家航天局が4日に微博(ウェイボー)に掲載した写真には、月面をドリルで掘削して描いた中国の「中」の文字が写っている。

嫦娥6号は高温に耐え、月面を掘削して機械アームで土壌や岩石をすくって試料を採取したと国家航天局は説明。試料の採取後、ロボットアームを伸ばして中国国旗を掲げたとしている。

嫦娥6号の技術者が中国国営中央テレビに語ったところによると、国旗は火山岩の玄武岩で作られており、今後の月探査を見据えて腐食や月の裏側の過酷な気温に耐えられる設計になっている。

玄武岩は粉砕して溶かし、人の毛髪の直径の3分の1ほどの繊維にして布に織り込んだと技術者は説明。月面には玄武岩が豊富にあると述べ、「我々は将来的に月面基地を建設するので、玄武岩を繊維にして建材として使うことになるだろう」としている。