![](/img/media/664eacfd08dbb.jpg)
【台湾】J2大分がアジア戦略、小澤社長に聞く
大分トリニータが台中市でサッカー教室を開催し、地元の小中学生やコーチに指導を行った。
アジア戦略の一環として、台湾市場における成長機会を探っている。
将来的には台湾の子どもたちに夢と活力を与え、地域コミュニティに貢献したいと考えている。
![【台湾】J2大分がアジア戦略、小澤社長に聞く](/img/article/20240604/665e7f26a62e1.jpg)
日本のサッカーJ2大分トリニータは3月下旬、台中市でサッカー教室を開いた。アジア戦略の一環として台湾で初めて開催し、大分トリニータのアカデミーのコーチが台中市を拠点に活動するサッカーチームの小中学生約120人やコーチを対象に指導を行った。サッカー教室の開催に合わせて台湾を訪れた大分トリニータの小澤正風社長に、アジア戦略やサッカー教室に対する期待、台湾との交流への思いなどを聞いた。
――大分トリニータはアジア戦略を掲げている。
大分トリニータは九州の観光都市である大分県を拠点としているチーム。実はアジアに近く、アジアでサッカーをきっかけにしたビジネスを模索している。中でも台湾はわれわれにとって魅力的なマーケットだと思っている。台中市と大分県は友好交流協定を結んでおり、縁を強く感じている。
――アジアに成長を求めていく背景は。
大分には、他にもサッカークラブや野球、フットサル、プロサイクルチームなどさまざまなスポーツのチームがある。そうした中で大分のマーケットを大事に営業活動しているが、レッドオーシャン(過当競争)化している。そこでトリニータが持つ価値を考え、視点を変えてアジアを見ると、台湾やマカオなどサッカー(のレベル向上)に飢えている地域がある。そこにわれわれが入り、一緒に成長したいと考えている。
――台湾に着目した理由は何か。
アジアの中でもタイやマレーシア、シンガポールはJ1からJ3までいろいろなチームが進出しサッカー教室を開いている。一方で台湾はJリーグのクラブがまだあまり進出していない。われわれとしてはしっかり関係性をつくって、地域の子どもたちに夢を与える、活力を与える活動をしたい。そうした活動が台湾の企業に評価されて、その活動に支援をいただければ、より関係性は強くなる。
――台湾の子どもたちの印象は。
教室の練習を見たところ、非常にポテンシャルがあると感じた。コーチのアドバイスを受けて、挑戦しており、成長の伸びしろがあると思った。活動を通じて台湾、台中の子どもたちが将来Jリーガーを志すなど夢を持つことに貢献したい。
――アジア戦略でどのようなことを目指していくか。
大分県に対する貢献の部分ではインバウンドだ。台湾を含むアジア圏から大分県、別府、湯布院などに来ていただくという貢献の方法があると思う。100人以上の子どもたちが参加して、トリニータや大分に触れてもらった。こうした子どもたちが将来、大分を思い出して行ってみようと思ってもらえれば。
また、サッカー教室に参加した子どもたちの中からトリニータに入る、スカウトの目に留まるような選手たちが出てくるといいなと思う。そういう選手が1人現れると、台湾のサッカー熱は一気に変わる。
――台湾でのサッカー教室について今後の計画は。
われわれとしては継続していきたい取り組み。この台中という場所にトリニータがしっかりと根を張っていきたい。(聞き手=安田祐二)