方言習得プロジェクト始動 知名町講座「しまむにサロン」

AI要約

沖永良部島の方言を学ぶ鹿児島県知名町の公民館講座「しまむにサロン」の活動について報告が行われた。

会員による方言辞書作りや新たな方言習得プログラムに関する説明が行われた。

地域住民が方言によるコミュニティー作りや世代間交流を図る取り組みに期待が高まっている。

方言習得プロジェクト始動 知名町講座「しまむにサロン」

 地域住民らが沖永良部島の方言を学ぶ鹿児島県知名町の公民館講座「しまむにサロン」の2024年度第2回が1日、おきえらぶ文化ホールあしびの郷・ちなであった。会員による方言辞書作りの報告や、新たに始動する方言習得の取り組みに関する説明があった。

 しまむにサロンは19年度から実施。国立国語研究所の横山晶子特任助教と山田真寛准教授が講師を務める。24年度は知名、和泊の両町から計28人が受講登録。講座はオンライン・対面形式で、月1回のペースで計11回を計画している。

 この日は会員の田邊ツル子さん(63)が、知名町田皆集落で使われる方言「たんにゃむに」を記録し辞書を作る活動を報告した。

 田邊さんは、田皆集落の方言が島内の他地域とは違い、単語の母音を伸ばして発音することなど特徴を紹介した。辞書作りは22年7月にスタート。地域の有志らで立ち上げた「たんにゃむにサークル」が中心となり、方言を話せる高齢者たちに聞き取り・録音を行い、今年3月までに約1200語を集めた。

 編集委員会も構成し、研究者による指導の下、基礎語彙(ごい)をまとめて例文を作成する作業などに取り組んでいる。田邊さんは、作業時間の不足や高齢メンバーの体調面の不安など課題も挙げつつ、こうした活動が「世代間交流やコミュニティー作りにもつながるのでは」と期待した。

 後半は横山特任助教が、24年度から新たに始まる「しまむに習得プロジェクト」ついて説明。方言話者と学びたい人がペアとなり、買い物や畑仕事など普段の活動を共にすることで日常会話を習得する「マスター・アプレンティス」方式を用いる。期間は7~12月の6カ月間。

 プロジェクトに参加する内野亜美さん(41)=知名町余多=は「単語の暗記だけでなく、文章として理解できるようになりたい」と意気込んだ。