笹生優花 逆転五輪&2度目Vへ単独首位発進 難コースもパットさえて攻略「一打一打に集中」

AI要約

21年全米女子オープン覇者の笹生優花が5バーディー、3ボギーの68で単独首位発進。高弾道のショットと正確なパターで高速グリーンを攻略。日本勢4番手からの逆転を目指すパリ五輪代表争いに向けても好スタート。

笹生は難関ホールを巧みに攻略し、首位に躍り出る。2打差の5位には岩井千怜と吉田優利、15位には渋野日向子。笹生はアンダーパーにわずか4人の初日を楽しみつつも、逆転出場権獲得に向けて意気込み。

笹生は3年前の自身の逆転優勝を思い返しながら、今大会での挑戦に集中。五輪代表争いにも意欲を見せ、2度目のメジャー制覇を目指すが、一打一打に全力を注ぐ姿勢を示す。

笹生優花 逆転五輪&2度目Vへ単独首位発進 難コースもパットさえて攻略「一打一打に集中」

 ◇米女子ゴルフツアー 全米女子オープン第1日(2024年5月30日 米ペンシルベニア州 ランカスターCC=6629ヤード、パー70)

 21年大会覇者の笹生優花(22=フリー)が5バーディー、3ボギーの68で回り、2アンダーで単独首位発進を決めた。高弾道のショットと正確なパターで高速グリーンを攻略し、日本勢4番手からの逆転を目指すパリ五輪代表争いに向けても上々の滑り出し。2打差の5位に岩井千怜(21=Honda)と吉田優利(24=エプソン)が並び、1オーバー、71の15位に渋野日向子(25=サントリー)らがつけた。

 難コースに多くの実力者が苦しむ中、笹生がグリーン上で輝きを放った。会見では「いくつか凄く長いパーパットを決めたし、ゴルフが良かったというより、運が良かった」と謙遜したが、「運」とは思えぬほどにラインを読み切り、首位に躍り出た。

 思わずガッツポーズが出たのが、グリーン手前に小川、奥にバンカーが配置された12番パー3だ。世界ランク1位のN・コルダ(米国)が10を叩いた平均スコア3・80の最難関ホール。バンカーからの2打目はピンまで5メートルを残したものの、下りのフックラインをねじ込んだ。勢いに乗って15番では4メートル、16番では8メートルのラインを冷静に読んでバーディーを奪った。

 2週前の大会で今季初めて予選落ちした。先週の土曜日にコースへ入り、グリーンの硬さ、傾斜を入念に確認。持ち前の飛距離に加え、高い球でボールを止める技術でスコアを伸ばした。アンダーパーはわずか4人の初日に「(難セッティングは)好き」と言いつつ、「でも、難しい」と笑わせた。

 今季はトップ10は1試合のみで、パリ五輪の代表争いは日本勢4番手。逆転での出場権獲得へ今月24日付の世界ランクで上位2人に入る必要がある。今大会は優勝なら100ポイントが加算されるだけに、一気に逆転するチャンス。それでも、3年前の自身が、畑岡とのプレーオフの末に逆転で優勝を遂げたように、勝負は最後まで分からない。

 2度目のメジャー制覇となれば、もちろん日本勢初の快挙だが、「まだまだゴルフは残っている。一打一打に集中したい」と残り3日の戦いを見据えた。

 ▽ゴルフ五輪への道 世界ランクに基づく五輪ランキングで男女とも上位60人が出場権を獲得。15位以内なら各国最大4人、16位以降は最大2人まで出場可。世界ランクは過去2年の獲得ポイントを平均して算出され、直近13週の比重が高い。大会によって差がつけられ、女子では昨年の日本女子オープンの優勝ポイントが26に対し、海外メジャーでは100。パリ切符は今月24日付で決定する。現在の女子世界ランクは18位に畑岡、23位に山下、25位に古江、30位に笹生が続いている。