「歯がゆい…」延長12回フル出場のソフトバンク海野隆司 悔しさも成長の糧に

AI要約

捕手の海野が悔しさを露わにして、延長12回の一打でチームはサヨナラ負けを喫した。

海野はプロ5年目で初めての延長12回守備を経験し、チームの期待に応えたが結果は甘くなかった。

最後まで悔しさを隠しきれず、成長の糧として次に生かせるよう努力する海野の姿が描かれた。

「歯がゆい…」延長12回フル出場のソフトバンク海野隆司 悔しさも成長の糧に

 ◆日本生命セ・パ交流戦・巨人1x―0ソフトバンク(29日、東京ドーム)

 【コラム・好球筆打】

 どんな思いで白球の行方を追っただろうか。捕手の海野だ。0―0で迎えた延長12回1死二塁。守護神オスナが相手の3番吉川に右翼頭上を越される一打を浴び、チームは痛恨のサヨナラ負けを喫した。

 引き分けに持ち込むまで、あとアウト二つだった。そこからまさかの暗転に「歯がゆいですね。あそこ(延長12回)まで0点に抑えていただけに」と悔しさをあらわにしたが、その反省もまた成長の糧となる。まだこの時期で良かったと思えばいいし、しっかり「次」に生かせばいい。

 実は海野にとって延長12回の守備は初の〝領域〟だった。途中出場で守った経験こそあったが、先発出場して延長12回の守備に就いたのは、プロ5年目で初の経験だった。それだけに最低でも引き分けに持ち込めればよかったのだろうが、現実は甘くなかった。

 ただ、1試合をすべて任される捕手にまで成長したという見方もできる。延長12回に打席が回った時は代打が送られるのだろうと思って見ていただけに、ベンチの海野に対する信頼度が上がったことが伝わってきた。「最後の最後に1点を取られて。自分に対して腹立たしい気持ちでいっぱいです」。海野は最後まで悔しさを隠しきれなかったが、誰もが通る道でもある。いつか「最高の1敗」と言える日が訪れることを信じてみよう。(石田泰隆)