恩返しのため何度でも立ち上がる 元地域タイトル王者の山内涼太が来月7日メインで神崎靖浩戦

AI要約

山内涼太がプロボクシングで神崎靖浩とのノンタイトル戦に挑む。

山内は過去の戦績や挑戦への意欲、そして世界王者への憧れを語っている。

神崎との戦いを通じて、山内は3連勝目を目指し、世界戦への再チャンスをつかもうとしている。

恩返しのため何度でも立ち上がる 元地域タイトル王者の山内涼太が来月7日メインで神崎靖浩戦

◆プロボクシング 51・9キロ契約8回戦 山内涼太―神崎靖浩(6月7日、東京・後楽園ホール)

 元WBOアジアパシフィック(P)・フライ級(50・8キロ以下)王者で日本同級1位の山内涼太(角海老宝石)が来月7日、メインで神崎靖浩(倉敷守安)とノンタイル8回戦を戦う。「世界王者になって応援してくれる人に恩返しするためにも負けられない」と世界ランク入り、そして、2度目の世界戦目指して必勝態勢で臨む。

 22年、WBO世界フライ級王者だった現WBC世界バンタム級王者の中谷潤人(M・T)への挑戦が決まった。試合前の1か月間、ジムの先輩である元IBF世界スーパーバンタム級王者・小国以載(ゆきのり)が毎日ロードワークにつきあってくれた。ともに戦ってきた阿部弘幸トレーナーを含め、応援してくれる人たちのためにもベルト奪取を目指した。

 しかし、結果は8回TKO負け。「大舞台での冷静さが違った」と落ち着いて戦う大切さを教えられた。完敗で最後は立ったままレフェリーに止められたが、何発パンチを浴びても1度も倒れなかったのは「間違いなく声援のおかげだった」と振り返る。

 再起したが、昨年4月の日本王座決定戦で永田丈晶(じょうすけ)=協栄=に小差の判定負け。それでも「尊敬する小国さんや応援してくれる人たちに何も恩返しができていない。このままでは終われない」と再び立ち上がった。同8月のジャッカパン・セーントーン(タイ)、今年2月のアーノルド・ガルデ(フィリピン)をともに2回KOで下し完全復活した。

 大阪・箕面東高2年時の全国選抜大会決勝で現WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)王者の井上拓真(大橋)に敗れた。中谷、井上。拳を交えた相手が世界王座に就いている。「今ははっきり口に言える立場にない。でも、いつか彼らと同じ位置に立ちたい」。そう強く願い、妥協せず練習を積んできた。

 世界王者としてベルトを巻くこと、それが応援してくれる人たちへの最高の恩返しだとも信じている。「ギリギリの戦いではなく圧倒して、冷静に組み立てて、相手が何もできなかったという内容で勝ちたい」。再度、世界戦のチャンスをつかむにはもう敗北は許されない。崖っぷちとなる神崎戦で山内が3戦連続KO勝利を狙う。

 戦績は29歳の山内が11勝(10KO)3敗、23歳の神崎が10勝(2KO)2敗1分け。

 ◇山内 涼太(やまうち・りょうた) 1995年1月15日、大阪・豊中市生まれ。29歳。小2からワイルドビートジムでボクシングを始める。U―15全国大会に小5から中2まで出場。大阪・箕面東高から東農大。アマチュアでは38勝(14KO・RSC)15敗。17年5月にプロテスト(B級)に合格し、翌月プロデビュー。20年8月にWBOアジアP・フライ級王座決定戦勝利で初戴冠。22年4月、WBO世界フライ級タイトルマッチで初の世界戦も中谷潤人に敗戦。身長165センチの右ボクサーファイター。