アルボン、モナコで角田裕毅の封じ込め作戦に屈する「あれほど遅くなくてもいいと思ったけど……スクーターでもついていけたんじゃない?」
ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは、F1モナコGPで初ポイントを獲得したものの、RBの角田裕毅に抑え込まれる苦しいレースを振り返った。
アルボンは角田のペースに苛立ちを感じ、自身のスキルを疑問視する一幕もあったが、チームにとっては重要なポイント獲得となった。
レース後にアルボンは、角田を抑える苦労や自身の成績に対する不満を率直に語った。
ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは、F1モナコGPで9位に入り、今季初ポイントを獲得した。しかし前を行くRBの角田裕毅に徹底的に抑え込まれることとなり、「ベスパ(イタリアのスクーター)でもついていけたんじゃないか」と、不完全燃焼に終わった胸の内を吐露した。
今季のウイリアムズはここまで苦戦を強いられており、無得点のままモナコGPを迎えた。しかしアルボンはその予選で、9番グリッドを獲得した。
決勝レースは、1周目に赤旗中断となったことで、各車がこのタイミングでタイヤ交換義務を消化したため、レース距離のほとんどをタイヤ無交換で走り切らなければいけないという、かなり珍しい展開となった。そのため角田は、前を行くメルセデス勢と争うのではなく、ペースを落として後続のアルボンを抑え込んだ。そしてアルボンにフリーストップ(順位を落とさずタイヤ交換させること)をさせないよう、さらに後ろのピエール・ガスリー(アルピーヌ)との間隔をコントロールした。
アルボンとしては、角田の真後ろにいたため、どこでも仕掛けられた。しかしここはモナコ。まず抜けない。
結局アルボンは、レース終盤まで角田を攻略できず。角田はレースを走り切れる目処が立ったと見るや、チームからのゴーサインを待って一気にペースアップ。最終盤は先頭のマシンより速いペースで走り、アルボンの視界からは消えた。
「もっと良いレースがよかった……エキサイティングなレースが見たかったと、皆さん言うだろうね。僕も正直に言ってそう思うよ」
アルボンはレース後にそう語った。
「でもチームにとっては、重要なポイントだ。これがスタートだし、僕らにとっては大きな意味がある。残りのシーズンに向け、これを踏み台として使うことができると思う」
それでもアルボンにとっては、苛立ちの多いレースだったという。
「(角田のマシンの)リヤウイングからジオメトリの設定まで、全部見えたよ」
「彼にはもっとペースがあったのに、苛立たしいね。喜んでマネジメントできるくらいのペースだったらいいけど、でもあれほどペースを落とす必要はなかった。彼はものすごくペースを落として走っていたから、ベスパに乗っていてもついていけるんじゃないかと思ったくらいだよ」
「とても遅かった。とても厳しかったね、ゆっくり走っていると、集中力を保つのが難しいんだ」
「彼はレースの終盤には、(ペースを上げて)僕の前から完全に走り去ってしまった。僕は、ずっとペースを抑えていたのかって思ったよ」
「おそらくシャルル(ルクレール/フェラーリ)を除けば、みんな面白かったとか、楽しかったとは言わないと思うよ。一瞬、スタートの時にユウキを抜けたかもしれないと考えたけど……それでも、予選9番手でよかったよ」