楽天、よみがえる19年前『0-26』の記憶… その当事者が21失点で敗れた夜のグラウンドにいた

AI要約

ソフトバンクが楽天を21-0で完勝し、楽天は19年前の敗北記録を更新。プロ野球ワーストの失点記録を更新し、過去の屈辱を味わうこととなった。

過去に26失点を喫した試合の当事者もいた。打撃投手として活躍した藤崎紘範さんや、当時ブルペン捕手だった松比良平太1軍マネジャー、そして選手だった今江敏晃監督も辛い試合の記憶を持っていた。

指揮官は悔しさを滲ませながらも、次の試合に向けて気持ちを切り替え、ファンに対して謝罪の気持ちを示した。

楽天、よみがえる19年前『0-26』の記憶… その当事者が21失点で敗れた夜のグラウンドにいた

◇21日 ソフトバンク21―0楽天(みずほペイペイドーム)

 楽天にとっては19年前の屈辱の記憶がよみがえる。球団創設1年目の2005年以来の大敗北を喫した。5回までに大量20点を失うなど立つ瀬なし。8回にさらに1点を失って計21失点となった。

 4月20日に中日が阪神戦(甲子園)で記録した15失点を上回る今季両リーグワースト失点で、プロ野球での1試合20失点は2020年7月28日にヤクルトが阪神戦(神宮)以来、4季ぶり。球団にとっても20失点以上は05年3月27日のロッテ戦以来、2度目。プロ野球に新規参入して2試合目での悪夢で、その時のスコアは「0―26」だった。

 この日のベンチ裏にも”あの”屈辱の試合を味わった当事者がいた。打撃投手の藤崎紘範さんは26失点で大敗したロッテ戦の先発投手を務め、2回途中4失点で降板した。劇的な勝利を飾った開幕戦から一転して歴史的な敗北を喫し、球団初の敗戦投手となった。

 「あれはあれで負けの一つ。でも、僕の中では今も(記憶として)残っている」。この日も試合前の練習で打撃投手を務め、試合後は選手たちの荷物出しの業務も担った。

 松比良平太1軍マネジャーも19年前にブルペン捕手として携わった1人。試合前や試合中に投手の肩をつくる手伝いをしてマウンドに送り出すのが仕事だった。あの時の試合も先発の藤崎を含めて6投手が登板。「2試合目でしたね。ブルペン捕手をしていたので覚えてます。でも、26失点しようが『0―1』で負けようが負けは負け」と振り返った。

 実は今江敏晃監督も当事者だ。対戦相手のロッテの一員としてスタメンに名を連ね、三塁手として2安打を記録した。その時は勝者だったが、この日は敗者として試合を見届けた。

 指揮官は「あまりにもふがいない試合になってしまったので、応援していただけるファンの皆さんに本当に申し訳ない」と悔しさを必死でこらえ、「切り替えてやるしかない。嫌でも試合はある。立ち向かっていかなければいけない」と歯をくいしばった。