伊勢ケ浜部屋に“最強コーチ”就任 部屋付き宮城野親方が身ぶり手ぶり交えて指導

AI要約

宮城野親方が伊勢ケ浜部屋に転籍し、40人の力士が移籍したことで部屋は活気付いている。

宮城野親方は稽古で指導し、力士たちに新たな風を吹き込んでいる。

宮城野親方が稽古で力士たちと組み合う場面もあり、前頭翠富士はモンゴル相撲を経験して感動した。

伊勢ケ浜部屋に“最強コーチ”就任 部屋付き宮城野親方が身ぶり手ぶり交えて指導

 歴代最多、優勝45度の宮城野親方(元横綱白鵬)が転籍した伊勢ケ浜部屋に新たな風が吹いている。元幕内北青鵬の暴力問題で4月に閉鎖となった旧宮城野部屋勢が、丸ごと移ってきたことで、力士は約40人に倍増。最大の違いが、宮城野部屋の師匠だった宮城野親方が部屋付きとなったことだ。同親方は稽古でまわしを締め、時には身ぶり手ぶりを交えて指導している。

 今場所好調の前頭宝富士とは、土俵周りで組み合う場面もあった。当初は“恐れ多い”とばかりに断ろうとしていた宝富士に、宮城野親方は“いいから”と促して組み合い、その後に助言を送っていた。前頭翠富士は春巡業の合間、一時帰京した際の稽古後の不思議な体験を明かした。「実は宮城野親方に『やろうよ』と言われてモンゴル相撲をやったんですよ。お互いに普通のまわしですけど。腕を『グリンッ』って回されて、気付いたら投げられていた」。初めて味わった感覚に心が躍ったという。

 前頭錦富士は、旧宮城野部屋の十両伯桜鵬、幕下天照鵬らを指導していた宮城野親方から間接的に褒められたことがモチベーションになった。「錦富士の稽古を見ろ。お前らとは1番1番の向き合い方が全然違う」と言っていたのを聞いたという。「大横綱が、自分の稽古への向き合い方まで見てくれていて、やっぱりうれしいですよ」と感謝。生え抜きの伊勢ケ浜部屋勢にとって“最強コーチ”の就任がもたらした好影響が、徐々に出そうな気配だ。【高田文太】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)