目指すは大リーグやNBA級のスーパー注目度 今秋開幕バレー「SVリーグ」大いなる野望

AI要約

新しいバレーボールリーグ「大同生命SVリーグ」の開幕が10月に予定されている。目指す先は世界最高峰のリーグで、競技面だけでなく組織面や事業面でも世界に追いつき、追い越すことが目標とされている。

新リーグはSVリーグと新Vリーグの2部制に再編成され、初年度に男女計24チームが参加する予定。競技面と組織面での厳格なライセンス制度が導入され、2030年までに世界最高峰のリーグを目指す意気込みが感じられる。

クラブチームと企業チームが混在する状況においても、SVリーグの設立に至ったのは意識改革の進展によるもの。競技力、事業力、ガバナンス力に高い基準を設定したライセンス制度で、安定した運営基盤を築いた上で、将来的に完全なプロリーグ標準を目指している。

目指すは大リーグやNBA級のスーパー注目度 今秋開幕バレー「SVリーグ」大いなる野望

今年10月、バレーボールの新リーグ「大同生命SVリーグ」が開幕する。初年度は男女計24チームでスタート。目指す先は、世界中のトップ選手が集結する「世界最高峰」のリーグだ。「SV」の「S」は、「Strong(強く)」「Spread(広く)」「Society(社会)」の頭文字に由来。競技面だけでなく、組織面や事業面においても世界最高峰になることを目標にし、達成時期も2030年と明確に打ち出している。関係者は「決して手が届かない目標ではない。世界に追いつき、追い越せる」と鼻息は荒い。

約2年前から動き始めた新リーグ「SVリーグ」の形がようやく見えてきた。ざっくり言えば、現行のVリーグを「SVリーグ」と「新Vリーグ」の2部制に再編成。SVリーグの初年度は、10月~来年5月にホームアンドアウェー方式で実施し、男子10チーム、女子14チームが参加する。

今年7月には、現行の運営組織「ジャパンバレーボールリーグ(JVL)」が2つの一般社団法人に分割。新リーグを運営する「SVリーグ」と、新たなVリーグを運営する「ジャパンバレーボールリーグ(新JVL)」に別法人化される。前者は競技力、組織力、事業力のあるチームの集まりで、あくまで世界最高峰リーグを目指す組織。後者はプロ化を目指さないクラブチームや、今後SVへの参入を目的とするチームを運営する方針だ。

■ライセンス交付で厳格化

少し分かりづらいのは、SVリーグの参入チームが完全にプロ化されず、現行のVリーグと同じく、クラブチームと企業チームが混在しているからだ。日本リーグ時代からプロ化の動きはあったが、企業にとってバレーチームはあくまで会社の福利厚生、部活動という位置づけで賛同を得られなかったため、何度も頓挫してきた。

SVリーグ発足にこぎつけられたのは、意識改革が進んだことだったという。JVLの事務局長代理兼競技運営統括部長の山本幸礼(ゆきひろ)さんは「大河正明バイスチェアマンを中心に、世界最高峰リーグを目指すことを明確に説明し、こうやれば、そこに届くんだ、ということをしっかりと浸透させられたことが大きい。興行を使命としてやっていくという同じベクトルを持てたことが大きかった」と説明する。

クラブライセンス制度も導入した。SV参入に必要なライセンスの交付には、ホームゲームの80%以上を開催できる本拠地アリーナの確保、26~27年までは売上高4億円以上といった条件をつけた(表参照)。競技力、事業力、ガバナンス力で高い基準を設定したライセンス制度で、まずは安定した運営基盤を優先して興行に注力。その上で、山本さんは「2027年には完全プロ化を、そして30年には世界最高峰リーグを目指したい」と意気込む。