「いとこがジャニーズにいるんです」驚きの答えから2年…ステップアップを続ける佐藤恵允の“スター性”

AI要約

佐藤恵允(けいん)は2年前のU―21サッカー日本代表候補合宿で無名の大学生として初招集され、ジャニーズ事務所にいるいとこの存在をひっそりと明かす。

その後、彼はパリ五輪に出場し、日本を代表して全4試合に出場。ドイツ1部のクラブに移籍し、今後の飛躍が期待されている。

佐藤は強いスター性を持ち、注目を集めれば集めるほど力を発揮するタイプであると、恩師やファンからの評価を受けている。

「いとこがジャニーズにいるんです」驚きの答えから2年…ステップアップを続ける佐藤恵允の“スター性”

 2年前の5月。2024年のパリ五輪を目指す当時U―21サッカー日本代表候補合宿に、当時ほぼ無名の大学生が初招集された。千葉市内で行われた合宿で、報道陣の多くが既にFC東京でレギュラーだった松木玖生や札幌でゴールを決めていた中島大嘉らを取り囲む傍ら、その大学生、佐藤恵允(けいん)を取材していたのは私を含めて2人ほどだったと記憶する。

 J1で活躍する面々を差し置いてまで、当時大学3年だった佐藤に話を聞こうと思ったのには訳がある。きっかけは彼がプレーしていた明大サッカー部公式サイトのプロフィル欄だった。「もしサッカーをやっていなかったら」という項目に、彼は「ジャニーズ」と回答していた。

 足を止めた彼に合宿の印象やアピールポイントなどひとしきり質問し、最後にプロフィルと絡めて、「昔、街でスカウトされたこととかあるの?」と尋ねた。すると、甘いマスクを少し崩し、「いとこがジャニーズにいるんです」とこちらの予想の斜め上を行く答えが返ってきた。そして「ストーンズのジェシーって言うんですけど」と教えてくれた。

 芸能情報に疎く、彼が口にした「ストーンズ」が「SixTONES」だと最初は分からなかった。ネットで調べると、どうやらジェシーは大人気男性グループの一員らしい。「彼の方が全然有名だし、迷惑掛けたくないので公表していません」。アイドルのいとこをおもんぱかってか、やんわりとこちらにクギを刺した。

 時は過ぎ、コロンビア出身の父と日本人の母を持つアタッカーは昨夏、サッカー部を退部してドイツ1部のブレーメンに加入。世代別代表にも継続して選ばれて、パリ五輪メンバーの座を射止めた。世界の大舞台で日の丸を背負うことで、偉大ないとこに近づけたとの思いがあったのかもしれない。佐藤は大会期間中の7月に日本協会の公式サイトの選手紹介欄で2人の関係を明かし、大きな反響を呼んだ。

 明大の恩師、栗田大輔監督をして「注目されればされるほど力を発揮するタイプ」と言わしめる23歳はパリ五輪で全4試合に出場。ドイツでの2季目を迎え、日本からそそがれる視線も増えるだろう。それを力に変えていくスター性を秘める佐藤に今季、飛躍の予感が漂う。(サッカー担当)