「一流選手と関わるために何ができるか」社会人野球名門チームの“アナライザー”という役割…求められる“野球愛”と“コミュ力”

AI要約

野球界で注目されているアナライザーの活躍について。専門家が高精度データを収集し、チーム戦略や選手のパフォーマンスを向上させる役割を果たしている。

野球経験を生かしてトヨタ自動車硬式野球部のアナライザーになった磯和純一朗氏の経歴。アナライザーとしての仕事内容と日常のスケジュールについて。

日々の挑戦や努力の中で感じる成長とやりがい。アナライザーとしての仕事に対する熱い思い。

「一流選手と関わるために何ができるか」社会人野球名門チームの“アナライザー”という役割…求められる“野球愛”と“コミュ力”

プロ野球、メジャーリーグを中心にデータ分析を用いた野球が主流になっている今、“アナライザー”の活躍が注目されている。彼らは、高精度カメラやレーダーを搭載した機器を使い、データを収集し分析。チームの戦略や選手のパフォーマンス向上を提言する専門家だ。

小学5年から大学まで野球を続けた磯和純一朗氏も、その仕事に魅せられた一人。磯和氏が野球に携わるために選んだ仕事は、2023年都市対抗野球大会の優勝チーム・トヨタ自動車硬式野球部のアナライザーだった。

大学の野球部時代は2軍で過ごす時間が多かったという磯和氏。11年間の野球経験を仕事につなげたいと大学院に進学し、野球選手の動作解析やバイオメカニクス、コーチング論などを多角的に学んだ。

「大学の野球部で主に2軍だった下手な私が、一流の選手たちと関わるために何ができるのかと考えた時、“アナライザー”だと思った」と、目指した経緯について磯和氏は話す。その頃、トヨタ自動車野球部がアナライザーを探していたため、エントリーをしたのがきっかけだった。

アナライザーとしての仕事は、大きく分けて二つ。一つは、対戦相手の試合映像やデータを収集、分析し、傾向を探る「スコアラー」と呼ばれる仕事。もう一つは、自チームの選手のパフォーマンスを上げるために、測定、分析、フィードバックをする仕事。

1日のスケジュールは、午前8時半からのスタッフミーティングに始まり、9時からの全体練習では、練習の補助や撮影を行う。

午後は、自主練習の手伝いや、撮影した映像を選手たちが見られるように編集、分析する。

日が暮れて、帰宅後も作業が続く日も多い。

「失敗するし、全然上手くいかないこともある。もっとこういう観点があればチームに貢献できたのに」と、力不足を感じる日々だそうだ。それでも、アナライザーという仕事の魅力が日々の原動力になっている。

磯和氏:

アマチュアのトップレベルの選手たちのパフォーマンス向上に関わることができて、とても嬉しいです。また、「凄いと言われる選手たちが、なぜ凄いのか」を、データを用いて見える化できること。感覚で話すのではなく、数値やデータを用いて、理論的に説明できるところに、この仕事の面白さがありますよね。