異色の4歳デビューを迎えて着実に経験を積むアブストゥルースの現在地/新人記者のトレセン日記

AI要約

4歳の6月にデビューしたアブストゥルースは未勝利クラスで着実に成長を見せており、今回は3歳上1勝クラスで挑戦する。

前3戦では着差が徐々に縮まり、経験を積む毎に良化が見られている。長い距離が得意の可能性があり、今回は2000メートルのレースに挑む。

馬場の速さが懸念材料ではあるが、上原博師は丁寧に向き合いながら馬を成長させており、初勝利に向けて前進を続けている。

異色の4歳デビューを迎えて着実に経験を積むアブストゥルースの現在地/新人記者のトレセン日記

 4歳の6月にデビューという異色の経歴を持つアブストゥルース(牡4・上原博)が土曜中山6R・3歳上1勝クラスでデビュー4戦目を迎えます。「未勝利の立場でレースに出るけど、走らないわけではなくて、ケガをしていてレースに出られていない馬だから」と上原博之調教師は言います。今回のメンバー内で比べても実戦の数は最少。経験値は少ないですが、決して侮れない存在です。

 過去の3戦を振り返ると、掲示板に載るにはほど遠いものの、勝ち馬との着差は2秒2→1秒1→0秒9。着実に良くなってきていることが分かります。上原博師に過去のレースについて聞いてみると「初戦は初めてで競馬にならない中でも、他馬についてきて頑張ったな。2戦目は15着から8着と進歩が見られたよ。3戦目は頭数が多いなかでも14番人気で10着に来てくれているから」と経験を積むたびに、少しずつですが成長してきています。

 今回も前2戦に続き野中騎手が騎乗。「長いところが良さそう」という進言があり、2000メートルへの距離を試みます。「スピードに乗ってからの方が力が出せそう」と厩舎スタッフとも話し合って決定したそう。実際に「テンのスピードが乗るまでに時間がかかるところがあって、過去のレースを見ても後方からのスタートになっている」と同師。ここはさらに経験を積むことも含めての挑戦となります。

 今のアブストゥルースの状態は「普通」だそうですが「レース慣れはしてきているし、このクラスを突破してもいいくらいの馬だからな」(上原博師)とポテンシャルは十分にありそう。当初は暴れることもあると聞いていましたが、今ではすっかり良くなっているようで「精神的にも成長しているよ」とキッパリ。かつてゲートを嫌がっていたことを思い出しつつ、その成長ぶりに笑顔を浮かべていました。

 一方、懸念材料は中山の速い馬場。週末は一時、雨予報もありましたが晴れ予報に変わりました。レコードが出るような馬場については、「合わないと思う。この馬には試練だな」と指揮官も心配していました。それでも「何事も経験」と、どんな馬にも丁寧に向き合う上原博厩舎でどんどん前進していることが分かります。まず目指すのは初勝利! でも、無事に帰ってきてね。