栗山英樹氏がまな弟子の偉業祝福しエール「何か安心してほしくない。80本ぐらい打つだろって」

AI要約

栗山英樹氏が大谷翔平の「50―50」の偉業を祝福し、盗塁に対する翔平の姿勢や成長を称賛。

盗塁数や走ることに関して、栗山氏が翔平の特異な能力や考え方について語る。

将来の大谷翔平に期待を寄せる栗山氏が、様々なポジションでの活躍や独創的なプレーを期待している。

栗山英樹氏がまな弟子の偉業祝福しエール「何か安心してほしくない。80本ぐらい打つだろって」

 侍ジャパン前監督で日本ハム・栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO=63)がまな弟子・大谷翔平の「50―50」の偉業を祝福し、エールを送った。

 ―「50―50」という数字は想像していたか

 「ちょっと想像はしてなかった。盗塁にあれだけ興味を持って進むというのは、良かったな、すごいなと。うれしいけど、でも、翔平、それでよかったと思わないでよ、みたいな。あなた、もっと凄いでしょって。個人的には(昨オフ手術した)肘の心配はありましたけどもっと打つかなって。何度も言っている通り僕が見ている天井はもっと高い」

 ―盗塁数が想定外?

「あそこまでそこ(盗塁)にこだわって、っていうのは、やっぱり翔平らしいなと。なんかドキドキするじゃん。盗塁って。アウトになったら迷惑がかかる。誰も60―60って言わないよね? できそうじゃない?60盗塁くらいいけそうでしょ。60本も打ちそうだよね。もっと最初からそう思ってたら(達成していたかもしれない)」

 ―盗塁に関して

 「(日本ハム時代は)一番ストップをかけていた。止めて、止めて、止めて。いきたがるから。WBCの時も止めたし。すごいのは、走りながら1年間ケガをしないでプレーを続けられている。それが大谷翔平のすごさ、一番突出しているところ。盗塁するっていうのは相当コンディショニングが整わないと行こうと思わない。そのコンディショニングを常に保てているということが実はすごくて」

 ―走ることに関してどのように見ていたか

 「僕はアメリカにいって三刀流と言っていた。守る可能性が出てくるんじゃないかと思っていたし。そこに“四刀流”を持ち込んだ。盗塁はたぶん、自分のトレーニングに落とし込めている。そこができるのは大谷翔平のすごさ。彼にとっての体を前に進めるための一つの方法にもなっているはず。本人は絶対に言わないと思うけど。あそこでダッシュしておけば練習でする必要がない。その時間を次に使える。そこの発想がたぶん人と全然違っている。結果については、すごいけど75本いかないんだとか。すごいんだけど、何か安心してほしくないし(笑)。お前80本ぐらい打つだろって」

 ―日本ハム当時は足の速さ含めて盗塁、走塁の技術やセンスは

 「状況判断が抜群の選手なんで。盗塁できるスピードはもちろんあるんだけど、ケガさせないっていうのが一番。そっちのリスクの方ばっかりを考えてた。そこを進めるのはあんまり得策じゃない。一番すごいのは何かっていったら、米国で、デッドボールを当てられない空気感を作れること。メジャーリーグ全体で、『この選手に当てちゃいけない』という空気ができたよね。これが作れた、というのは、プレースタイル、必死さだったり、プラス彼の人柄だったり。っていうのを全てがみんなが認めないとそういうふうにはならない。そういうものが50―50とかの数字にもつながっているんだろうしね」

 ―来年、投手も復活したら本来の姿に戻る?

 「サイ・ヤング賞とか皆さん言われるけど、それはそれでよくて、全然違うもの残さないかなって、ちょっと個人的な楽しみとして。それこそ守備のことも含めていろんなことを、野球の幅を、誰も想像しないようなことを起こせる選手なんで。何で面白がってくれるかなって言うのは、考える形の幅の中にいてほしくないなあっていう感じかな」

 ―例えばWBCの抑えも。

 「それを勝手に想像させるくらい無理させても大丈夫そうな感じがするよね。昨日おととい、抑えしてるのに、明日先発させみたいな、無茶なんだけど(笑い)」

 ―WBC決勝の地であるマイアミで達成

 「なんか神様に引きずられてるね。そういうものを背負ってる選手なんだと思うんだよね。物語はすごく重要なんで」