栗山英樹氏、大谷翔平は「80本ぐらい打つだろう」も想像超えた50盗塁 愛弟子の“天井”とは

AI要約

ドジャース大谷翔平投手が前人未到の記録「50本塁打、50盗塁」を達成。

恩師栗山英樹氏は大谷の50盗塁に驚き、彼の効率的な二刀流スタイルを称賛。

栗山氏は大谷のフィジカル面の進化と将来の可能性に期待を寄せている。

栗山英樹氏、大谷翔平は「80本ぐらい打つだろう」も想像超えた50盗塁 愛弟子の“天井”とは

<マーリンズ-ドジャース>◇19日(日本時間20日)◇ローンデポパーク

 ドジャース大谷翔平投手(30)が、前人未到の大記録「50本塁打、50盗塁」を達成した。

 敵地ローンデポパークでのマーリンズ戦に「1番DH」で出場。48本塁打、49盗塁でこの試合を迎え、6回の第4打席で49号2ラン、7回の第5打席で50号2ランを放った。盗塁は1回に三盗を決め50個に到達。2回にには51個目となる二盗を決めた。

    ◇   ◇   ◇

 前人未到の「50-50」を、恩師はどう見るのか。大谷の日本ハム時代の監督で、昨春のWBCでも一緒に戦った栗山英樹氏(63=日本ハム・チーフ・ベースボール・オフィサー)は「すごい数字だけど、何度も言っている通り、僕が見ている天井はもっと高い」と切り出した。「80本ぐらい打つだろう?」と、うれしそうに続けた。

 そんな栗山氏でも、50盗塁は想像を超えた。もちろん、大谷のスピードなら走ること自体に驚きはないが「まさか、盗塁にあれだけ興味を持って進むとは」。大谷ならではの理由を指摘する。

 「二刀流は効率がものすごく重要。1人だけ48時間あるわけではないので。ダッシュ、ランニング量をどう取り入れるか。(盗塁が)体を前に進める1つの方法にもなっているはず。あそこでダッシュしておけば練習でする必要がない。時間を違うことに使える。そこの発想が人と全然違う」

 盗塁はトレーニング代わりにもなる。それで浮いた時間を打撃や投球、必要なら休息にも充てられる。成功率の高さにも注目する。

 「相当、研究してるんじゃない。ピッチャーの癖や体の動き。こうやって投げると、こういう動きになるとか。盗塁するために見てるけど、その先を見ながら。このピッチャーはこういう変化球を投げると思って、狙い球も打席で違ってくるだろう。1つやることが、2つ、3つにつながる。二刀流ってそういうこと」

 盗塁のための洞察が、打撃に好影響を与える。「いつも考えている選手。翔平らしいな」とほほ笑んだ。

 日本ハム時代は「ケガさせない」ため、出塁しても「走るな」のサインが多かったという。昨年3月のWBCでも止めた(1盗塁のみ)。だが「5年ぶりに(一緒に)やったとき『体、大丈夫だな』ってのが一番の印象だった」とフィジカル面の進化を感じた。今季はシーズンを通じて盗塁を重ねている。「1年間ケガをしないでプレーを続けられている。大谷翔平のすごさの一番突出しているところ」と断言した。

 打って、走って、来季は投げもする。いったい、天井はどこにあるのか。「サイ・ヤング賞とか言われるけど、それはそれでよくて。全然違うものを残さないかな。守備も含め、誰も想像しないようなことを起こせる選手。考える形の幅にいて欲しくない。数字ではないところで」。WBC決勝のように、DHから抑えのマウンドか。あるいは…。「昨日、一昨日、抑えをしてるのに明日先発みたいな。やめた方がいいな。壊れるな。みんなが考えて」と楽しそうに締めくくった。前人未到の向こう側へ、大谷は進み続けている。【古川真弥】