【巨人】“無言”のM9点灯!4時間23分の死闘は痛み分け「最後の最後まで分からない」

AI要約

巨人はDeNAとの試合で2-2の引き分けで、リーグ優勝マジック9が点灯した。

阿部慎之助監督は試合後に無言を貫き、チームに引き締めを促した。

岡本和のヘッドスライディングなど、チーム全体が一丸となって優勝に向けて戦い続けている。

【巨人】“無言”のM9点灯!4時間23分の死闘は痛み分け「最後の最後まで分からない」

<巨人2-2DeNA>◇18日◇東京ドーム

 巨人に“無言”の優勝マジック9が点灯した。

 DeNAと延長12回まで戦い2-2の引き分け。1回に先頭の丸の14号ソロで先制しながら一時は逆転を許したが、粘り腰で引き分けに持ち込んだ。4年ぶりリーグ優勝へのマジック点灯も、2位阪神とは1・5ゲーム差に縮まり、大混戦には変わりない。阿部慎之助監督(45)は試合後の取材には応じず無言を貫いた。

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 4時間23分の死闘は痛み分けに終わった。球団広報から「取材はありません」と案内があり、阿部監督は試合後の取材エリアに姿を見せなかった。試合後の取材に応じなかったのは、この日を含め今季3度目だった。指揮官はベンチ裏の食堂に全員を集めて全体ミーティングを行った。「マジックはついたけど、ついていないようなもの。浮かれるのはマジック1のときだけ」と引き締めた。残り11試合で優勝マジック9はあってないようなものだと強く意識させた。

 勝負の9月に入ってから阿部監督は「今日は今日。明日は明日。目の前の試合を戦う」と繰り返してきた。ペナントレースの最終盤に突入し、絶妙に強弱をつけてチームを動かしている。長野、坂本、丸らベテランに信頼を置き、岡本和、吉川ら主力の背中を押し、2年目の浅野には未来も視野に入れさせている。

 1回、先頭丸の先制アーチで幸先よく滑り出すも、同点の8回に3番手バルドナードが一時勝ち越しを許した。連打のあと、2死から連続四球で押し出しの内容もいただけない。ただ、直後の攻撃で無死一塁で浅野がしぶとく左前打で食らいつく。オコエが犠打を決めて、1死二、三塁から岸田の二ゴロの間に、三塁走者岡本和がギャンブルスタートを切って本塁にヘッドスライディングで生還。泥くさく1点をもぎとった。

 試合前の円陣で浅野が切り出した。「みなさんオフ、いかがお過ごしでしたでしょうか」と問いかけると「僕は優勝したくてしたくて、神社に行ってきました。神社にいってお参りしてきたんですけど、まだ足りないなって思って」とベンチ奥から持ち出したのは、故障で離脱中のヘルナンデスを含む1軍野手18人分のお守りだった。「これは持っている力を奮い立たせるっていう意味があるみたいなんで、この6連戦奮い立たせて頑張りましょう! さあいこう!」。プレーボール直前に、異例の必勝祈願を敢行し、チームを鼓舞した。

 「最後の最後まで分からない。最後までもつれると思って戦っている」。阿部監督は先週、敵地で広島に3連勝したときに言った。勝つために、勝ちきるために、指揮官も選手もやれることは何でもやる。【為田聡史】

 ○…4番岡本和が決死のヘッドスライディングを見せた。1点を追う8回先頭の打席、四球を選んでこの試合3度目の出塁。浅野の安打とオコエの犠打で三塁へ進塁すると、岸田の二ゴロでギャンブルスタートを切った。頭から突っ込んで生還し「そのままいった方がいいと思ったから。マジックは気にせず残りの試合をやっていきたい」と冷静に戦っていく。