「2人に距離があったことは周知の事実」ヤクルトで渦巻く宮本慎也(53)待望論と、青木宣親(42)の今後「青木にコーチ就任の打診もないとすれば…」

AI要約

プロ野球ヤクルトの青木宣親外野手が9月13日、現役引退を表明した。涙を浮かべた村上宗隆内野手は記者会見後にホームランを放った。

優勝争いから遠ざかるチームは、青木への惜別ムードで満ちていた。

新監督候補の話題も巻き起こり、今季限りである高津監督の去就も注目されている。

ヤクルトはCS進出の可能性が消失し、チームの動向に疑問符が付けられている。フロント内では高津監督の今後について、様々な憶測が広まっている。

続投も交代もあり得る状況で、宮本慎也氏が有力候補であることが浮かび上がっている。球団が新たな一歩を踏み出すかが焦点となっている。

「2人に距離があったことは周知の事実」ヤクルトで渦巻く宮本慎也(53)待望論と、青木宣親(42)の今後「青木にコーチ就任の打診もないとすれば…」

 プロ野球ヤクルトの青木宣親外野手(42)が9月13日、東京都内の球団事務所で記者会見に臨み、今季限りでの現役引退を表明した。会見に駆けつけた“愛弟子”の村上宗隆内野手(24)は涙を浮かべ、その後出場した巨人戦(神宮)でホームランを放った。

 優勝に突き進む巨人とは対照的に、最下位に沈んでいたチームはこの日、日米で一時代を築いた「ミスター・スワローズ」への惜別ムード一色に染まった。

 しかし一方、クラブハウスの一部選手は青木の引退が今オフの監督人事との関連性を囁き合い、新監督候補のカゲに戦々恐々としていたという。

 ヤクルトは既に自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性が消滅し、完全消滅も時間の問題だ。高津臣吾監督(55)は今季が2年契約の2年目で、就任5年目。2021、22年と2年連続リーグ制覇を果たしたものの昨季は5位、今季も優勝争いの蚊帳の外だった。

 ヤクルトで5年以上務めた監督は1999~05年の若松勉監督まで遡る。それ以上となると、球団史上最長の9年間、指揮を執った野村克也監督しかいない。

 衣笠剛球団会長兼オーナー代行(75)は6月19日のヤクルト本社の株主総会後、その時5位だったチームを率いる高津監督の采配に一定の評価を与えた上で、来季契約については「まだ白紙。今(シーズンの)途中ですし、私の考えもありますが、いろいろな担当と話したりして決めていきたい」と明言を避けている。

 さる球団関係者はこう指摘する。

「高津監督は、ヤクルトではノムさん以外誰もできなかった複数回のリーグ優勝を達成し、決して選手層が厚いとは言えない中でよく戦ってきましたが、来季に向けた展望は明るいとは言えません。人心を一新し、新しい風を吹き込むしか打開策はないという考えのフロントもいます」

 球団では高津監督の続投を選択肢に残しつつ、交代なら内部昇格で池山隆寛2軍監督(58)や嶋基宏ヘッドコーチ(39)、外部招聘では古田敦也氏(59)など広く候補者が挙げていたが、有力候補は宮本慎也氏(53)だったという。

 宮本氏は現役時代に通算2133安打を放ち、遊撃と三塁でゴールデングラブ賞計10度の名内野手としてヤクルト一筋に活躍した。PL学園高(大阪)で培われた野球に取り組む厳格さを前面に出し、08年北京五輪で主将を務めるほどのキャプテンシーでチームを牽引した。

 13年に引退後、18年にはヤクルト入団時の担当スカウトでもあった恩師、小川淳司監督(現ゼネラルマネジャー=GM)の2度目の監督就任に伴い、ヘッドコーチとして古巣に復帰した。