八王子が明大中野の好投手を攻略！一次予選屈指の好カード制する【24年秋・東京都一次予選】
明大中野のエース・田中俐希が八王子を三者連続三振に仕留めるも、八王子が先制。佐藤侑翔の初本塁打などで八王子が勝利し、都大会代表決定戦に進出。
田中は後半得点を許さず、好投を見せるも、チームは勝利ならず。冬場のトレーニングで強化を目指す明大中野。
◇秋季東京都高校野球大会第9ブロックA 1回戦◇八王子5－1明大中野◇八王子高校柚木グラウンド◇8日
明大中野のエース・田中俐希（2年）は、1年生の夏から公式戦のマウンドに上がり、この秋の東京では、上位にランクされる好投手だ。実際1回裏は、八王子を三者連続三振に仕留めた。明大中野の岡本良雄監督は、「立ち上がりはよかった」と語る。
八王子の安藤徳明監督は、「いいピッチャーであることは、聞いていました」と語る。そして実際に対戦した打者に聞くと、ストレートはそれほど来ていない。縦のスライダーやフォークのような落ちる球に威力がある、ということだった。そこで安藤監督は、「ストレートに詰まってもいい。早いカウントから、積極的に行こう」と指示した。追い込まれてから落ちる球を投げられたら、攻略は難しいという判断からだった。
もっとも2回裏の先頭打者、4番の石本瞬矢外野手（2年）は、1ボール2ストライクと追い込まれたが、左前安打を放つ。続く5番・大森友輝捕手（2年）は、1ボールからの2球目にバスターエンドランを仕掛け、これが三塁打となって八王子が1点を先制する。続く5番・伊藤泰平一塁手（2年）は初球を叩き、左中間を破る二塁打を放ち、1点を追加する。
これで八王子打線が勢いづく。3回裏は2番・井上将二塁手（2年）が死球で出塁した直後、3番・佐藤侑翔三塁手（2年）が初球を叩くとライトポール近くの本塁打となり2点を追加する。佐藤にとって公式戦初の本塁打となった。「打ったのは縦のスライダーです。真っ直ぐを狙って変化球にも対応するようにしていました」と佐藤は語る。第1打席で苦しんだ、落ちるスライダーを叩いた貴重な一発になった。八王子は4回裏も内野安打と敵失、犠打2つで1点を追加する。
5回以降は明大中野の田中は立ち直り、得点を許さない。投球のリズムを取り戻した田中は、やはりハイレベルの投手だ。
一方、八王子は左腕の島田悠之介（2年）は4回まで無失点に抑える。5回表に四球と安打の走者を出したところでやはり左腕の古山球道（2年）が登板。古山は押し出しで1点を与えたものの、その後は明大中野の反撃を抑え、5－1で勝利。都大会出場をかけて、代表決定戦に進出した。八王子は、昨年は代表決定戦で敗れているだけに佐藤侑翔は、「先輩の分も、次は全力で頑張ります」と語った。
一方、明大中野は、1次予選の初戦で敗れるレベルのチームではない。冬場のトレーニングでさらに強くなることを期待したい。
