【夏に飛び出せ!若手ジョッキー】高杉吏麒騎手は現在、新人トップの22勝 さらなる成長を目指し「競馬脳を鍛える」

AI要約

若手ジョッキー高杉吏麒(18)が新人首位の22勝を挙げつつも、技術未熟で不安を感じている。

競馬脳を鍛えることに力を入れ、ライバルや馬場傾向を研究しスキルアップを図っている。

北海道での滞在を活用し、調教を見て調子を把握し、話せる力も養う18歳の頑張り屋の姿。

【夏に飛び出せ!若手ジョッキー】高杉吏麒騎手は現在、新人トップの22勝 さらなる成長を目指し「競馬脳を鍛える」

注目のヤングジョッキーたちの本音に迫ったサマー企画「夏に飛び出せ! 若手ジョッキー」も今回が最終回。トリは現在、ルーキー首位の22勝を挙げる高杉吏麒(りき)騎手(18)=栗・藤岡=が登場だ。順調に勝ち星を積み上げているが、本人は危機感たっぷり。研究をおこたらず、より高いレベルを目指している。

慢心は一切ない。ここまでで新人トップの22勝を挙げる高杉騎手は危機感を抱きながら、レースに臨んでいる。

「技術が未熟なのに、思っている以上に勝てちゃっているという感じです。減量がなくなると勝てなくなると思います。不安だらけです」

祖父が厩務員という縁で騎手を目指すようになった。1年目から存在感を発揮し、238戦して単勝回収率は112%。減量騎手の勝ちパターンである逃げ切りが少ないことが特徴で、勝ち鞍は逃げ切り7回に対し、先行押し切りが7回、中団差し切りが8回もある。自在な立ち回りが武器だが「自分の技術不足で勝たせてあげられなかったレースはたくさんあります」と反省の弁を並べる。

最もスキルアップしたいと思っていることは「競馬脳を鍛えること」。騎乗馬だけでなく、ライバルの特徴や馬場傾向を理解した上で、一瞬で状況判断ができる力を伸ばしたいと考えている。そのために騎乗したレースはもちろん、乗っていないレースもパトロールビデオを繰り返し確認。さまざまなパターンを頭に叩き込み、スタイルの幅を広げている。

師匠の藤岡調教師の指示で、夏は北海道に滞在している。「競馬に乗る馬に自分で調教をつけることが多いので、調子の把握がしやすいです。関東の厩舎ともつながりができて、乗せていただけることが増えたのも収穫です」と充実の日々を過ごす。

1年目の目標は「いいリズムで勝ち続け、とにかく競馬がうまくなりたいです。それと、人と話すのが得意ではないので、いろいろな人と話せるようになりたいです」。ちょっぴり人見知りだが、競馬についてはとことんまじめで研究熱心。技術を磨き、トップジョッキーへと駆け上がる。(増本隆一朗)

■高杉 吏麒(たかすぎ・りき)2005(平成17)年9月28日生まれ、18歳。滋賀県出身。24年3月2日に栗東・藤岡健一厩舎からデビュー。同23日の中京6R(コムルヴァン)で初勝利。同10日の金鯱賞で重賞初騎乗(ワイドエンペラー12着)。29日現在、JRA通算238戦22勝。165センチ、48・3キロ。