「あやしい学校ではないですよ」京都国際スカウトが現地記者に明かした苦悩「いろいろあるっス」優秀な中学生にどう声をかけたのか?

AI要約

岩淵雄太は京都国際のスカウトとして活動するチャラ男ちゃん。愛情を込めてつけられたニックネームで、自分のブランディングを意識している。

学生募集から韓国の影響を受けた特色まで、京都国際の歴史と岩淵の取り組みを紹介。周囲に誤解を解く努力を怠らない姿勢も明らかに。

訪日韓国人生徒の環境も考慮しながら、岩淵は11年間学校に尽力してきた。日本人としてのアイデンティティを大切にしながら、学校の発展に貢献している。

「あやしい学校ではないですよ」京都国際スカウトが現地記者に明かした苦悩「いろいろあるっス」優秀な中学生にどう声をかけたのか?

 チャラ男ちゃん。京都国際の生徒募集、つまりはスカウトを担当している岩淵雄太のニックネームだ。

「僕のことをとてもかわいがってくれている中学の監督さんが愛情を込めてそう付けてくれたんです。なので、それでみんなに覚えてもらえたらいいな、って。それからこまめに髪を切るようになりました。それも1つの自分のブランディングだと思うんです」

 時折、帽子を脱ぐと、長い髪の毛がダラリと頬のあたりまで垂れ下がる。それを後ろにかき上げ、再び帽子を被る。両サイドは極端に短く刈り込んでいた。帽子を被っていないときは七三か、真ん中から分けているという。

 メガネはまん丸のメガネだ。以前まではコンタクトだったが、最近、憧れのブランドのメガネに変えたばかりなのだという。

「ドイツのマイキータというブランドのメガネなんです。どうしても欲しくて。ネジを1本も使ってないメガネなんですよ。ちょけてるでしょ?」

 スラリとした体型といい、日焼けしていない肌といい、野球人というよりは「○□」メガネでお馴染みの経済学者、成田悠輔のような雰囲気を漂わせている。

 京都国際の前身は1947年に創立した京都朝鮮中学校だ。しかし2000年代に入って経営難に陥り、04年に現在の校名に変更し、日本人も受け入れるようになった。

 岩淵が赴任したのは11年前のことだ。最初から選手勧誘を任されたが「大変でしかなかった」と振り返る。

 現在、京都国際は日韓両国から援助を受け、両国の卒業証明書を授与できる。韓国語や韓国の歴史を学ぶ授業があり、修学旅行は韓国を訪れる。そして、何よりも同校のカラーを特徴付けているのは韓国語の校歌だろう。岩淵が言う。

「とにかく、まずはネガティブに見られるところの説明から入りました。韓国の歴史の授業はあるけど、反日教育をしているわけではない。うちの理事長は在日ですけど、そこまで偏った人ではないので。校歌も歌いたくなかったら歌わなくていいよ、と。私は岩淵という姓なので大抵の人は日本人だとわかってくれる。その僕が11年間務めて、こうして学校のために尽力している。そのことがあやしい学校ではないですよということの何よりの証明になりませんか、と」