【緒方耕一】広島と巨人の首位争いますます熾烈に 今後の戦いに向け両チームのキーマンは?

AI要約

広島と巨人の首位争いはまだ続く

広島の先発投手アドゥワが注目される

巨人の打者浅野の成長が期待される

【緒方耕一】広島と巨人の首位争いますます熾烈に 今後の戦いに向け両チームのキーマンは?

<巨人1-2広島>◇22日◇東京ドーム

 首位広島と2位巨人の3連戦は、2勝1敗で広島が勝ち越した。まだまだこの2チームの首位争いは続くだろうし、ますます熾烈(しれつ)な戦いになっていくだろう。そんな両チームの今後の戦いに向け、キーマンになりそうな選手を考えてみた。

 この試合でカギを握りそうな1番手の選手は、5回2/3を投げて1失点だった広島のアドゥワだろう。前回の先発も巨人戦で、プロ入り初完封をマーク。5回以外のイニングではすべて得点圏に走者を置くピッチングだったが、右打者の内角に投げる真っすぐはシュート回転し、外角に投げる真っすぐはスライダー回転し、高めには質のいいフォーシームがくる。球質がバラバラの“荒れ球”に対し、巨人打線は苦しんでいたように見えた。

 広島の先発陣を見ると、アドゥワは4、5番手の投手だろう。今後の直接対決や短期決戦のCSを考えると、巨人は4、5番手で投げる先発投手を苦手にすると苦しくなる。そこで巨人のキーマンになるのが、今試合でアドゥワから唯一の打点を挙げた浅野だと思う。

 6回1死一、二塁、初球のやや甘くなった真っすぐを右中間へタイムリーにした。浅野は若いカウントから積極的に打つタイプだが、それまでは明らかなボール球に対してもスイングし、空振りが多かった印象がある。しかし今試合でボールゾーンにスイングをかけたのは2スイングだけ。逆にストライクゾーンを見逃したのは1球だけで、選球眼が格段によくなっている。

 スイングの軌道も成長している。低めの球に対してもバットが内側から出てくるようになった。第1打席のセンター前ヒットも外角低めの真っすぐ。この球をバットの先っぽで拾えるようになったのも、バットが内側から出ているからだろう。全体的にまだ打つポイントがやや前で、厳しく内角を攻められたときに打てなくなりそうな不安は残っている。ただ、プロの階段を1段、確実に上がったのは間違いないだろう。

 アドゥワと浅野。この2人の存在が首位争いを盛り上げてくれることを期待したい。(日刊スポーツ評論家)