【緒方孝市】先発と中継ぎの層の厚さはリーグ屈指 広島にとって巨人、阪神の6連戦が優勝争い占う

AI要約

広島にとって、20日からの2位巨人、3位阪神と続く6連戦がひとつのヤマ場となる。ポイントとなる初戦での勝利が重要であり、3連敗、3連勝が展開を左右する可能性がある。

巨人、阪神との6連戦が優勝争いに影響を与える。勢いを持って臨めるか、緊迫感を抱くかがポイントだ。広島が首位とのゲーム差を保つためには重要な週となる。

広島は投手陣の強化や若手の活躍でコンディションを維持しており、リーグでも屈指の投手力を持つ。しかし、過密日程による投手の疲労も懸念される。

【緒方孝市】先発と中継ぎの層の厚さはリーグ屈指 広島にとって巨人、阪神の6連戦が優勝争い占う

 広島にとって、20日からの2位巨人、3位阪神と続く6連戦がひとつのヤマ場となる。まだ39試合を残しており、2位巨人との3連戦が2勝1敗でも、1勝2敗でも大勢に影響はない。ただ、3連敗、3連勝となれば局面は変わる。

 そういった意味でも、森下が先発する20日の初戦がポイントとなる。初戦を取れれば、当然ながら最も避けたい3連敗はなくなり、カード勝ち越しへ弾みがつく。巨人は前回と同じように山崎伊、グリフィン、戸郷と主戦3投手を立てるだろう。ファンの声援を含め、巨人に地の利がある。ただ、ビジターというマイナス面も、勝てば大きなプラスに変わり、勢いに転じられる。

 巨人3連戦の戦績が、週末の阪神3連戦にも影響する。勢いを持って臨めるのか、勝たなければいけない緊迫感が増すのか。首位とのゲーム差が開いたとはいえ、昨季日本一球団には地力がある。全体のバイオリズムが落ち込んでいるだけで、一気に上向くことがあれば広島も足をすくわれかねない。

 優勝争いから後退したDeNA、そして阪神は大型連敗が響いた。DeNAは3球団よりも投手力が弱く、リーグ2位のチーム防御率の阪神は主戦級の登板試合を勝ちきれなかった。一方で広島は夏場の9連戦でも、先発5番手以降の玉村やアドゥワ、森といった若手にカード初戦を託し、3戦すべて勝利。完投する試合もあった。4本柱を含めた先発の充実と中継ぎの層の厚さはリーグでも屈指だ。それでも投手にとっては疲れが投球に出る時期。主戦であっても調子が悪ければ、早めに継投させる決断も必要だろう。

 巨人、阪神との6連戦で一気に勢いに乗るのか、それとも最後までもつれる展開となるのか-。優勝争いを占う1週間となりそうだ。(日刊スポーツ評論家)