前日試合中止の悪夢プラスに転換 田中恒成10・14仕切り直しの初防衛戦「良い経験に変える」

AI要約

プロボクシング4階級制覇王者で、WBO世界スーパーフライ級王者の田中恒成が、前代未聞の前日試合中止の悔しさをプラスに変えて仕切り直しの初防衛戦に臨む。

初防衛戦中止の経験を前向きに捉え、プラスに転換。悔しさを自らの成長に活かす意識を示す。

挑戦者との対戦に意欲をみせる田中は、自身のボクシング人生における新たな糧にしようと決意を語る。

前日試合中止の悪夢プラスに転換 田中恒成10・14仕切り直しの初防衛戦「良い経験に変える」

 プロボクシング4階級制覇王者で、WBO世界スーパーフライ級王者の田中恒成(29=畑中)が、“前代未聞の前日試合中止”の悪夢をプラスに変えて“仕切り直し”の初防衛戦に臨む。Amazonプライムビデオ・ボクシング10大会が10月13、14日の2日間興行として、東京・有明アリーナーで開催されることが22日、都内で発表された。

 第2日の14日に同級5位プメレレ・カフ(29=南アフリカ)との初防衛戦を行う田中は「前回の試合を見られなかった人も、会長もトレーナーも悔しい思いをしていると思うので、その分、いい内容のKOで、満足してもらえるようなすっきりした勝ち方をしたい」と3カ月越しの初防衛に意欲を見せた。

 7月20日に東京・両国国技館で行われる予定だった初防衛戦は、挑戦者の同級12位ジョナタン・ロドリゲス(28=メキシコ)が、前日計でリミットを約2・9キロもオーバーして中止になった。「怒りの感情よりも悔しい方が大きかった。その日の夜に会長やトレーナーが一緒にいてくれて、練習もすぐに“頑張ろう”と言われて、一生懸命ここまでこれた」と田中。

 その悔しい経験は、すぐにプラスに切り替えたという。「ほかのみんなが試合をして一歩前に進んでいる中、自分が落ち込んだり、ネガティブになっていると後退してしまう。それをいかに良い経験に変えるかを考えていました。これまで試合が終わるとたくさん食べてリバウンドしてを繰り返していたけど、今回は意識して初めてリバウンドしなかった」という。

 挑戦者は10勝(8KO)3分けと無敗でKO率も高いが「テクニカルでディフェンス力の高い選手という印象。しっかり駆け引きする中で追い詰めて倒せたらと思っています」。前日の試合中止という悔しい経験も「人生で1回くらいこんな経験があってもいいのかな」と前向きとらえて、これからのボクシング人生の糧にするつもりだ。【首藤正徳】