シンバネットワーク、粘り強さで本大会出場 全日本クラブ野球選手権

AI要約

社会人野球の第48回全日本クラブ選手権九州地区予選で、シンバネットワークアーマンズクラブが2回目の本大会出場を決めた。

チームはビッグ開発クラブとの代表決定戦で見事な終盤の粘り強さを見せ、サヨナラ勝ちを収めた。

照屋監督は今回の本大会での優勝を目指し、選手やスタッフと共に意気込んでいる。

シンバネットワーク、粘り強さで本大会出場 全日本クラブ野球選手権

 今月3、4日に佐賀県で開かれた社会人野球の第48回全日本クラブ選手権九州地区予選(日本野球連盟九州地区連盟、毎日新聞主催)で、シンバネットワークアーマンズクラブ(沖縄)が3大会ぶり2回目の本大会出場を決めた。九州代表としては、2016年のビッグ開発クラブ(沖縄)以来の優勝を目指すチームは、31日の初戦で2大会ぶり7回目出場のエフコムBC(福島)と対戦する。【藤田健志】

 見事な終盤の粘り強さだった。3大会連続本大会出場を狙ったビッグ開発クラブとの代表決定戦。4点のリードを許しながらも、八回に伊地海也選手、知念誠選手の連続適時長短打などで一挙4点を奪い同点とすると、試合は無死一、二塁から始まる延長タイブレークに突入。十回に無死満塁の好機を作り、林翔選手が中前適時打を放って、5―4でサヨナラ勝ちした。創部当初から指揮を執る照屋信博監督(38)は「ベンチ全員が諦めていなかった」と喜んだ。

 林選手は佐賀県出身で佐賀学園高を経て加入した2年目の19歳。十回の守備では捕手として、飛び出していた二塁走者を見逃さずに遊撃手に送球しタッチアウトにも導いた。殊勲の一打には「ボールが当たったのがバットの先だったので感触的には悪かったが、外野に抜けてくれて良かった」とほっとした様子。学生時代に慣れ親しんださがみどりの森球場で、社会人選手としてプレーするのは初めてだったが、攻守ともに活躍を見せ、応援に駆け付けた家族や友人の期待に応えた。

 チームは20年に発足した。物流や広告などを手がける企業グループ「シンバネットワーク」の総合物流会社「あんしん」の社員が部員の大半を占める。選手はコンビニの運送ドライバーなどをしているが、24年4月からの運転手の残業規制強化などによって、チームの全体練習も昨年の週4回から週2回に減るなど、環境は厳しくなった。

 それでも今季はクラブチームとして唯一、都市対抗野球九州2次予選にも出場。照屋監督と沖縄水産高の同級生で、プロ野球・阪神などでもプレーした大城祐二コーチ(38)も昨年から指導に加わり、守備力が向上。九州地区予選も3試合で計1失策だった。

 前回本大会に出場した際は、ベスト8止まりだった。31日から栃木と群馬の両県で開催される全日本クラブ選手権に向けて、照屋監督は「絶対に優勝して、(出場権を得られる日本選手権の会場となる)京セラドーム大阪に行き、企業チームに一泡吹かせたい」と意気込む。