【スポニチ・ケイリン・クラブ 競輪記者コラム下野章雄】脇本勇希「地元でできてうれしい」S級初V達成

AI要約

オールスター競輪で古性優作が窓場千加頼の捲りに乗ってG1初優勝を果たし、窓場も準Vを獲得して活躍した。

福井競輪の脇本勇希が地元でS級初Vを達成し、負傷からの復帰劇を見せた。

脇本は番手戦での勝利を重ね、今後は自力でも上位で活躍できるように成長を目指す。

【スポニチ・ケイリン・クラブ 競輪記者コラム下野章雄】脇本勇希「地元でできてうれしい」S級初V達成

 13日から18日まで平塚で開催されたオールスター競輪は、古性優作の今年G1初戴冠で幕を閉じた。同期・窓場千加頼の捲りに乗っての強襲劇で、ファン投票1位の人気に応えた。その古性の優勝の立役者となった窓場。自身も準Vの見事な結果で、賞金ランクも9位にアップ。今年になって一気に覚醒。今後の大活躍も間違いなしか。

 オールスター競輪開催期間中の13日から15日まで開催された福井競輪のKEIRINライジングスターズ「市田佳寿浩カップ」(F1)は、脇本勇希(25=福井・115期)が地元でS級初Vを達成した。連日の番手戦をきっちりモノにしての3連勝。その動きには余裕さえ感じられた。ひと皮向けた脇本に注目したい。

 脇本は7月の福井G3・74周年記念で見事決勝戦へ進出。決勝では夢だった兄・雄太との兄弟連係を果たした。その興奮も覚めやらぬ間もなく地元F1出場となったが、直前の玉野F1初日に落車で負傷欠場。不安を抱えての参戦だった。

 「骨は折れていないが肋骨が痛い。左腰部分の打撲もひどかった。3日間は動けなかったですね」

 幸い初日は特選からスタート。福井でバンク練習でも一緒になる貴志修己を目標に番手戦の競走。貴志が正攻法から突っ張り先行。後続の動きをけん制しつつ、直線で一気に抜け出しての勝利を飾った。

 「スタートの時に痛みはあったけど、走り出してしまえば大丈夫でした」

 準決も同期・谷和也の捲り追い込みの勢いを借りて最後はズバッと強襲。決勝戦は同県の上杉嘉槻を目標の戦いに。

 「番手と自力では天と地の差があります。余裕はありますよ」

 上杉の突っ張り先行に乗り番手捲りでゴールを駆け抜け、念願のS級初優勝を達成した。

 「地元で優勝できてうれしい。前(自力)でも頑張れるように努力したい」

 今回は3日間、番手戦の省エネ走法だったが、自力でも上位で活躍できるようにレベルアップを目指す。