データがそろった今こそ今永昇太はストライクゾーン内で勝負せよ…高橋尚成氏が分析

AI要約

今永投手は試合中に慎重な印象を与えるが、球質は良かった。しかし、球数が増え過ぎて早めに交代となった。

決勝点はソロ本塁打であり、今季20発目の被弾となった。高めの直球を持ち味とする今永投手は、ストライクゾーンをしっかり攻める必要がある。

メジャーの先発投手としては、勝利よりもイニングを稼ぐことが重要視される。球数管理と制球力を活かし、効果的な投球を続ける必要がある。

データがそろった今こそ今永昇太はストライクゾーン内で勝負せよ…高橋尚成氏が分析

 今永は球の質自体は上々だったが、少し慎重になっていた印象だった。4、5回に乗ってきたかと思ったが、その時点で97球を投げていたら、メジャーではやはり交代になってしまう。

 決勝点は8番打者に許したソロ本塁打。メジャーで今季20発目の被弾となったが、元々スピンを利かせて投げるタイプで、当たると飛距離が出るのは本人も分かっているからこそ、慎重になった。初回に31球、3回にも20球と中軸に回るイニングは球数が増えていた。

 持ち味は高めの直球。シーズン序盤は初のメジャー挑戦で相手もどんな投手か分からない中、効果的に空振りを奪えていたが、データがそろってきた今ではそこを見極められたり、カットされて粘られるケースが増えてきた。高めをマークされている今、ストライクゾーン内で勝負をしていく必要があり、投球の基本となるアウトローへきっちり投げていくことが重要になる。

 メジャーの先発投手は勝ち星ももちろんだが、ローテをしっかり守ってイニングを稼ぐことがより重要視される。今季はこの日で23試合目の登板で、最多投球は103球と球数は徹底的に管理されている。その中で長い回を投げるにはやはり、ゾーン内で攻めていく投球は不可欠。制球には不安がない投手だから、ストライクゾーンを9分割した下の3つを攻めていってほしい。(野球評論家)