川崎春花、ロサンゼルス五輪や米ツアー参戦に意欲「チャンスが来るように一生懸命頑張りたい」

AI要約

21歳の川崎春花が自身初の完全優勝を果たし、今季3勝目を挙げた。日本女子ゴルフツアーのCATレディースで最終日に13アンダーで優勝し、世代一番乗りで通算5勝目を達成した。

川崎は流れるようなプレーで3日間を通してトップを譲らず、最終日は18番でのバーディーで締めくくった。今大会ではハウスキャディーとのコンビネーションも光り、自信を深めたという。

今季のメジャー最終戦であるAIG全英女子オープンに向けて意気込む川崎は、将来的には米ツアー参戦も視野に入れ、世界舞台での活躍を目指している。

<国内女子ゴルフツアー:CATレディース>◇最終日◇18日◇神奈川・大箱根CC(6652ヤード、パー72)◇賞金総額6000万円(優勝1080万円)

 03年度生まれ「ダイヤモンド世代」の川崎春花(21=村田製作所)が、自身初の完全優勝で今季3勝目を挙げた。

 4バーディー、2ボギーの70と2つ伸ばし、通算13アンダー、203。3日間の大会コース記録に並び、第1ラウンドから先頭を譲らなかった。世代一番乗りで通算5勝目。余韻に浸る間もなくこの日のうちに、日本勢19人目で出場権を手にした、聖地セントアンドルーズ・オールドコースで行われるAIG全英女子オープン(22日開幕)に向けて出発。28年の米ロサンゼルス五輪や将来の米ツアー参戦も夢見ている。

    ◇   ◇   ◇

 右手を高く突き上げた。18番パー5。第3打を50センチにピタリとつけてバーディーで締めた。日本人女子選手で今、最も勢いに乗っている川崎が、7月以降の最近5戦で3勝目。最高の形で今季のメジャー最終戦、全英女子オープンに乗り込む。「焦りはあまりなかった。今日はドキドキしなかった。並ばれたとしても、自分は自分のプレーをするだけ。そういう思いがあるからドキドキせず、プレーできるようになった」。優勝会見でも落ち着き払っており、勝つことに慣れてきた。

 出だし、中盤、締めと、随所で伸ばした。1番パー5は第2打をピンまで5メートルに運んでバーディー先行。2番をボギーとしたが「ゼロになった(だけ)と切り替えた」と、仕切り直しと思った。9番パー5では、この日「一番よかった」という第3打を1メートルにつけて伸ばした。ほとんどの時間で2位に3打以上の差をつけ、影も踏ませなかった。

 普段はプロキャディーと回る川崎が、今大会はハウスキャディーを起用した。7位だった4月のパナソニック・レディース以来、今季2度目。「今週は1人で考えながら、やろうと思って」。自らマネジメントを組み立ててプレー。技術面だけではなく、総合力を高めることが目的だ。ハウスキャディーの大窪ネネさん(26)は「8割は川崎さんが自分で考えていた」と称賛。残る2割はコースに詳しい大窪さんに風の特性などを聞いたが、ハウスキャディーとの初優勝は「自信になった」とうなずいた。

 第1日終了後、欠場者が出て全英女子オープン出場が決まり「これからにつながるゴルフをしたい」と、一段と意識を高く持った。強風の今大会も、同じく強風の聖地の予行演習と思えた。世界最高峰の米ツアーは「チャンスがあれば行ってみたい」と力説。銅メダルを獲得した松山英樹や4位の山下美夢有らが出場したパリ五輪男女ゴルフに「かっこいいなと思った」といい、28年ロサンゼルス五輪も「そういうチャンスが来るように一生懸命頑張りたい」と意欲を隠さなかった。原石ぞろいのダイヤモンド世代の旗手は、聖地でも輝きを放つつもりだ。【高田文太】

 ○…4位から出た通算5勝の渡辺が劇的なイーグル締めで、今季初のトップ10入りとなる2位となった。1イーグル、4バーディー、1ボギーの67で回り、10アンダー。18番パー5で第2打を1・5メートルにつけて2つ伸ばし、9アンダーの3人を一気に抜いた。同じくパー5の1、15番も2オンしたが、ともに3パットでパー。それでも飛距離を生かしてイーグルを狙う姿勢を貫き「優勝には届かなかったけど、自分のプレーにワクワクする気持ちがわいた」と、充実感を口にした。