「取られてこい。取り返してやる」神村学園の2年生右腕を落ち着かせた指揮官の決断【甲子園】

AI要約

神村学園が岡山学芸館を7-1で下し、早瀬朔投手が好投。2年連続8強入りを果たす。

早瀬は初マウンドから落ち着いた投球を見せ、小田監督もその活躍を高く評価。

早瀬は「日本一」を目指す意気込みを示し、今後の投手陣にも期待が寄せられる。

「取られてこい。取り返してやる」神村学園の2年生右腕を落ち着かせた指揮官の決断【甲子園】

 ◆全国高校野球選手権3回戦 神村学園7―1岡山学芸館(17日、甲子園)

 17日の3回戦から決勝戦までは、休養日を計3日間挟んでの4試合を戦う必要がある。

 神村学園は1、2回戦で左腕のエース今村拓未が連続完投。小田大介監督は「1週間500球以内」の球数制限を踏まえた上で、3回戦の岡山学芸館戦の先発に背番号10の2年生・早瀬朔を指名した。その身長184センチ右腕が今夏の甲子園での初マウンドで快投を見せた。

 1点リードの2回。早瀬は2四球が絡み1死二、三塁のピンチを招いた。ここで小田監督は内野手を同点阻止の前進守備ではなく定位置にとどめさせた。「(点を)取られてこい。取り返してやるからというこちらの意思表示」。指揮官の説明通り内野ゴロの間に追いつかれたが「緊張感がストレートに影響していた」という早瀬も、これで落ち着きを取り戻した。

 「ストライクゾーンにしっかり投げられていた」というスライダー中心の投球に切り替えた三回以降は無失点。最終回もこの日最速の141キロを計測するなど5安打1失点で完投した。打線も先発全員安打の12安打7得点。2年連続8強進出に小田監督は「早瀬の自信にもなるし、今後の投手陣(の起用)にとってもよかった」と喜んだ。

 4強入りした昨夏は甲子園でボールボーイを務めていた早瀬は「先のことを見ず一戦一戦。その先にあるのが日本一だと思っています」と力強く宣言。球数制限を踏まえて今後の投手起用をぐっと楽にした2年生右腕の台頭は、鹿児島勢初となる夏の甲子園制覇へ、追い風になる。