トム・クルーズ登場「度肝を抜かれた!」けど…パリ五輪閉会式、ブラジル国内の評価が率直すぎ「衣装…カーニバルそっくりじゃね?」

AI要約

パリ五輪の閉会式は、豊かなフランス文化とエンターテインメントが満載の華やかなセレモニーであり、トム・クルーズの大胆なパフォーマンスも目を引いた。

フランスの歌手やダンサーのパフォーマンスが会場を彩り、五輪旗の引継ぎシーンやロサンゼルス市長へのバトンタッチも感動的であった。

ロサンゼルスとアメリカをテーマにしたフィナーレは、楽曲の選曲や歌唱でフランスとアメリカのつながりを印象深く表現していた。

トム・クルーズ登場「度肝を抜かれた!」けど…パリ五輪閉会式、ブラジル国内の評価が率直すぎ「衣装…カーニバルそっくりじゃね?」

日本のメダルラッシュとともに運営面で様々な物議を醸したパリ五輪。セーヌ川で開催された開会式や、トム・クルーズらが登場した閉会式も話題となった。2016年リオ五輪を開催したブラジル国内のテレビ局では、どんな報道・評価がなされたのか。現地在住日本人ライターが見た。〈全2回〉

 8月11日夜(現地時間)に行なわれたパリ五輪閉会式は、ブラジルでも開会式に続いて地上波、ケーブルテレビ、そしてYouTubeで同時中継された。

 中継したテレビのアナウンサーは、「五輪の閉会式は、開会式よりもシンプルになるのが通例だ。しかし、今回はフランスの豊かな文化、長い歴史と伝統を踏まえての歌とダンスなどの多彩なパフォーマンスに加え、2028年ロサンゼルス五輪へのバトンタッチの意味から、アメリカが誇るエンターテインメントがたっぷりと披露された。それゆえ、豪華で彩り豊かなセレモニーとなった」と高く評価した。

 スポーツ専門テレビ局「ESPNブラジル」の電子版は、閉会式について詳細にコメントした。

 セレモニーの冒頭、パリのトュイルリー公園でフランス人の女性歌手がシャンソンの名曲「パリの空の下」を熱唱。競泳で金メダル4個、銅メダル1個を手にした「フランスのマイケル・フェルプス」ことレオン・マルシャンが公園内に設置されたバルーンに納められていた聖火をランタンに入れ、閉会式の会場であるスタッド・ドゥ・フランスへと向かうと、「彼はこの大役を果たすに値する見事な活躍をした」とコメントした。

 上空に伸びるピアノが演奏される中で、総勢100人を超えるダンサーが五輪のシンボルである5つの輪を模したモニュメントの周辺で踊り、最後は5つの輪が上空へと浮かび、空中で五輪のマークが完成した場面では、「幻想的にして荘厳な雰囲気を醸し出した」とコメントした。

 そして、五輪旗がパリ市長からトーマス・バッハIOC会長を経てロサンゼルス市長へ渡され、アメリカ人の女性歌手がアメリカ国歌を朗唱。その直後、場内が暗くなった後、アメリカの人気俳優トム・クルーズがスタジアムの天井に姿を現わし、映画「ミッション:インポシブル」の音楽に乗って約50mもの高さからワイヤーでピッチへ降りてくると……。

「彼がパリ五輪へ来て競泳や体操や女子サッカーなどの試合を観戦したのは広く知られており、閉会式に出演するのだろうと誰もが予想していた。しかし、この大胆な企画と演出、そして勇敢なパフォーマンスには度肝を抜かれた」

 トム・クルーズが舞台へ上がり、ロサンゼルス市長とアメリカの女子体操のエースでこの五輪でも3つの金メダルを獲得したシモーン・バイルズから五輪旗を受け取ると、オートバイでパリ市内を疾走。シャルル・ド・ゴール空港から飛行機でアメリカへ移動した、という設定には、「伸びやかでスケールの大きい発想」と賞賛した。

 ロサンゼルスのビーチでアメリカの人気ロックバンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなどがヒット曲を披露したことについても、「いかにもアメリカらしい陽気で伸びやかな雰囲気を醸し出した」と評価した。

 フィナーレで、元々はフランスのシャンソンで、後にアメリカ人のポール・アンカとフランク・シナトラが英語で歌って世界的に大ヒットさせた「マイ・ウェイ」をフランス人の女性歌手が英語で歌ったことについては、「フランスとアメリカのつながりと連帯を感じさせる素晴らしい選曲にして、見事な歌唱だった」と賞賛した。