【甲子園】 富山商の“波乗りジョニー” 全球フルスイングでチームに勢い

AI要約

東海大相模対富山商の第106回全国高校野球選手権大会第6日の試合で、新井丈弐偉が注目される。

新井はトップバッターとしてチームをリードし、サーフィン好きの父にちなんで「ジョニー」と呼ばれる。

試合後は家に帰ってサーフィンを楽しむことを楽しみにしている。

◆第106回全国高校野球選手権大会第6日▽1回戦 東海大相模4―0富山商(12日・甲子園)

 「丈弐偉」と書いて「ジョニー」と読む。富山県大会はベンチ外だった「背番号19」の新井丈弐偉(3年)が、富山商の「1番・左翼手」に抜てきされた。

 サーフィン好きの父が、桑田佳祐の楽曲「波乗りジョニー」にちなんで命名した。幼稚園の年長の頃からサーフィンに親しむ新井の役割は、トップバッターとしてチームを波に乗せること。「思い切り振って気持ちで勝つ!」。プロ注目の東海大相模・藤田琉生投手(3年)が1、2打席目で投じた8球の全てをフルスイングした。

 結果は、いずれも空振り三振。それでも、2番で初回に安打を放った鶴田尚冴(しょうご)捕手(3年)は言った。「ムードメーカーとして価値ある打席。自分も思い切って振ることができました」

 6回の守りで両足のふくらはぎがつって交代したが、最後まで声で仲間を鼓舞し続けた。「野球に集中しよう」とサーフィンを離れ、甲子園を目指した2年半。完全燃焼の夏だった。「家に帰ったら、サーフィンやりたいですね」。自宅から1本の道路を挟んで、すぐ向こうが日本海。輝く波がジョニーを待っている。

(浜木 俊介)