リネールの大内刈りに歓声 心に刻まれたパリの名場面〔五輪〕

AI要約

2大会ぶりに有観客で開催されたパリ五輪は、地元フランスを熱狂の渦に包んだ。柔道、難民選手団、総合馬術、体操、卓球など様々な競技で感動的な瞬間が生まれ、観客を魅了した。

柔道の混合団体決勝でフランスの英雄が豪快な大内刈りで一本勝ちし、会場は大歓声に包まれた。ヌガンバが難民選手団の初のメダルを獲得し、その胸に難民選手団のロゴを誇示するシーンは感動的だった。

日本の総合馬術団体が92年ぶりのメダルを獲得し、48歳の大岩義明選手は感極まり涙を流した。バイルスの金メダル獲得や卓球の表彰セレモニーでの特別な瞬間も観客の心を打った。

 2大会ぶりに有観客で開催されたパリ五輪は、地元フランスを熱狂の渦に包んだ。

 見る人の心に刻まれた名場面を振り返る。

 柔道の熱戦を締めくくったのは、日本とフランスによる混合団体決勝だった。3―3で迎えた代表戦で相まみえたのは斉藤立(JESグループ)とリネール。延長の末に地元の英雄が豪快な大内刈りで一本勝ちし、会場は大歓声に包まれた。

 2016年リオデジャネイロ大会から五輪に加わった難民選手団。ボクシング女子75キロ級のヌガンバが初のメダルをもたらしたシーンは印象的だった。準々決勝でフランス選手を破ると、左胸を指さした。その先にあったのは難民選手団のロゴ。「これには大きな意味がある」と誇った。

 埋もれていた歴史を掘り起こしたのは総合馬術団体の日本。馬術で92年ぶりのメダルを獲得し、48歳の大岩義明(nittoh)は「何十年もかけてたどり着いた」と涙に暮れた。陸上男子400メートルリレーの日本は5位に終わったが、決勝ではアンカーがトップでバトンをつなぎ、一瞬ながら歴史的快挙を期待させた。

 体操女子の個人総合で金メダルに輝いたバイルス(米国)の演技は感動を呼んだ。東京五輪はメンタル面の不調に苦しみ、今大会も左脚を痛めていた。苦難の過程をファンは知っているだけに、ゆかで見せた圧巻の跳躍に会場はどよめいた。

 卓球の表彰セレモニーでは珍しいシーンが。混合ダブルスでは北朝鮮ペアが銀メダルを獲得。中国、韓国のペアと共に表彰台に上がると、韓国選手の音頭で一緒にスマートフォンでの自撮りに納まった。いつも表情が硬かった北朝鮮勢だが、このときばかりは女子のキム・グムヨンの表情が緩んだ。