鏡、金で締めくくり 女子最重量級で初の頂点―レスリング〔五輪〕
AI要約
日本女子初の最重量級での金メダル獲得を果たした鏡選手の快挙に迫る。
試合の様子や鏡選手の強さ、友情に支えられたエピソードを紹介。
20年ぶりの記録を更新し、今後も最強女王として君臨し続ける決意。
大トリを飾った。
最重量級で日本女子初の頂点に立った鏡は、「誰も成し遂げたことがないことを、私がこの手でつかんだのはうれしい」。日本レスリングに、今大会8個目の金メダルをもたらした。
決勝はブレーデス（米国）との力勝負となった。1―1ながら不利な状況で迎えた残り1分25秒。片足タックルからテークダウンを奪い、勝利を決める2ポイント。「緊張も楽しむことができた」。トリコロールカラーに染めた髪をかき上げ、顔をくしゃくしゃにして「カワイイ」と書かれた特注のマウスピースを何度ものぞかせた。
昨年の世界選手権で初優勝。日本女子の最重量級での制覇は、2003年に72キロ級で出た浜口京子さん以来、20年ぶりの快挙だった。称号を手に入れてからも、プライドを胸に鍛錬を続けてきた。
パリに向けては浜口さんを訪ね、稽古をつけてもらった。「実際に組んでもらって『強いね』と言ってもらえた」。もちろん、「気合」も注入された。
5月中旬、調整中に右膝の靱帯（じんたい）を負傷した。失意のどん底に落ちたが、ある動画に励まされた。送り主は53キロ級の藤波。共に本番直前にけがをした親友は、動画の中でカラオケを歌っていた。「自分もつらい状況なのに送ってくれた。笑いあり、涙ありみたいな感じで心に染みた。めっちゃ力になった」
万全の状態ではなくとも、「気合」と「友情」に満ちた鏡は強かった。「今までやってきたことの答え合わせができた」。これからも最強女王として君臨し続ける。
