【バレー】拾いまくった「世界一のリベロ」山本智大「エクセレント!」執念実らずイタリアに惜敗

AI要約

日本は大接戦の末、イタリアに逆転負けし、48年ぶりの4強入りはならなかった。

リベロ山本智大が執念を見せたが、力尽きる。彼の活躍が評価され、「世界一のリベロ」と讃えられた。

敗因は取るべき点を取れなかったこと。イタリアの強力攻撃陣に対する対応も試みたが、完全には防げなかった。

<パリオリンピック(五輪):バレーボール男子イタリア3-2日本◇5日◇準々決勝◇パリ南アリーナ

 日本が大接戦の末、優勝候補のイタリアに逆転負けした。2セットを先行し「あと1点」のセットも第3と第5につくったが、力尽き1976年モントリオール大会以来48年ぶりの4強はならなかった。72年ミュンヘン大会以来52年ぶりの金メダルもかなわなかったが、イタリア戦の手に汗握る試合内容も含め、世界の列強と肉薄している実力は印象づけた。

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 リベロ山本智大(29=パナソニック)の執念は実らなかった。ほぼ半世紀ぶり4強へ、イタリア相手に拾いに拾った。五輪公式データ提供サイトにも、山本のレシーブとディグの速報には数え切れないほど「エクセレント」の文字が添えられた。

 第2セットに輝く。1次リーグ3連勝で勝ち上がってきた優勝候補に、山本が対抗。強烈なスパイクを要所で拾いまくるシーンが目立った。23-23と追いついた場面では、スーパーレシーブから石川が決める最高の流れとなり逆転。25-23で連取して王手をかけた。

 第3セット終盤にも、強烈なスパイクを見事なディグ。そこから日本の得点につなげた。終盤は、胴体に当てられる強烈なアタックを浴びる場面もあったが、ディグ22本、レシーブ19本(速報値)ともに両軍最多で尽力。試合後、同行している小川智大から「本当に世界一のリベロだったよ」との言葉でねぎらわれ、こみ上げていた。

 あと1点まで22年の世界王者を追い詰めただけに「自分たちが取るべき点を取れなかったことが、勝てなかった敗因かな。あらためて、オリンピックで勝つってことの難しさを非常に感じました」と振り返った。

 イタリアの強力攻撃陣については「すごく強いチームですし、ある程度、強いサーブだったり強いスパイクが来たりするのは想定してましたし、全部は取れないっって割り切っていたので、そういう面では、うまく気持ちの切り替えだったり、次のプレーに生かしたりしていけたんですけど、競った場面でやっぱり取れないところが、とても悔しい気持ちになりました」と唇をかんだ。

 そして「負けた後は、いろんな感情がこみ上げてきて…。あと、やっぱり小川(智大)選手の分も、っていう思いを持って、この大会に臨んでたんで」と目を潤ませていた。