世田谷西2年連続6回目の優勝、中本牧の守りのミス乗じ無安打で4点奪う リトルシニア決勝

AI要約

世田谷西が中本牧の春夏全国大会連覇を阻止し、昨年に続くこの大会連覇を達成した。3回、世田谷西は中本牧の守りのミスに乗じて、無安打で4点を奪った。中本牧も中盤1点差に追い上げたが、世田谷西が田島-渡辺のリレーで相手強力打線を抑え、4-3で2年連続6回目の優勝を飾った。今大会、ずぬけた力を発揮した両チームが最後までしのぎを削った。

世田谷西にとっては思ってもみなかったビッグイニングになったのは3回だった。先頭の1番島田が死球、続く2番矢口翔大(かける)主将の三塁前への送りバントが、相手の一塁悪送球を誘って二、三塁に。1死後、4番窪倉の二塁ゴロはまさかの本塁悪送球となって2点を先制。その後もバッテリーミスが続いて2点が入った。この4点が最後まで効いた。

中本牧はまさかのミスが重なり、世田谷西に4-3で敗れた。春夏全国大会連覇を逃したが、選手たちは悔しさを背負いながら力強く戦った。

世田谷西2年連続6回目の優勝、中本牧の守りのミス乗じ無安打で4点奪う リトルシニア決勝

<エイジェックカップ 第52回日本リトルシニア日本選手権大会>◇決勝◇8月5日◇東京・神宮球場

 世田谷西が中本牧の春夏全国大会連覇を阻止し、昨年に続くこの大会連覇を達成した。3回、世田谷西は中本牧の守りのミスに乗じて、無安打で4点を奪った。中本牧も中盤1点差に追い上げたが、世田谷西が田島-渡辺のリレーで相手強力打線を抑え、4-3で2年連続6回目の優勝を飾った。今大会、ずぬけた力を発揮した両チームが最後までしのぎを削った。

 ▽決勝

 中本牧3-4世田谷西

 【世田谷西は田島-渡辺が好リレー】

 世田谷西にとっては思ってもみなかったビッグイニングになったのは3回だった。先頭の1番島田が死球、続く2番矢口翔大(かける)主将の三塁前への送りバントが、相手の一塁悪送球を誘って二、三塁に。1死後、4番窪倉の二塁ゴロはまさかの本塁悪送球となって2点を先制。その後もバッテリーミスが続いて2点が入った。この4点が最後まで効いた。

 「ある程度の失点は覚悟して、こちらが4,5点取れたらチャンスがあると思っていましたが、まさかああいう形で」と吉田昌弘監督。初回に1死一、三塁で取れず、イヤな流れだったが、この4点で吹っ切れた。

 しかし、相手は強力打線。踏ん張ったのが、まずは先発の田島。「緊張はしませんでした。疲れていました」と笑うが、制球力で3回まで無安打に抑えた。4回に安打と四球を出したところで、渡辺に交代。「ちょっと怖かった」といい、内野ゴロと適時打で2点を失ったが、持ち味の130キロ前後の速球が相手に利いていた。5回に1点差に迫られたが、最終回を託された。「それまでより集中した」と、丁寧にコーナーをつき、3者凡退に切り抜けて、マウンドに集まった選手たちの歓喜の輪の中心にいた。

 大会2連覇を達成し、矢口主将は「3回の4点はみんなの気持ちで取ったと思います」と振り返り「最高です。この大会は投手陣が頑張ってくれたと思います。今日の田島、渡辺、昨日(準決勝)の大矢の3人がよかった」と話した。

 選手たちに胴上げされた吉田監督は、最後を任せた渡辺には「1人で集中して、1人で投げろと言いました」と笑い、「今までいっぱい負けてきたのがよかったのかも。負けると反省が生まれる。粘り強さ、頑張りとか。(中本牧と)こんな試合ができる選手たちじゃなかった」と、成長した選手たちがはしゃぐ姿を見つめていた。

 【中本牧はまさかのミスが重なる】

 目標にしていた春夏全国大会制覇は、守備での「まさか」の連続ミスで消えてしまった。悪夢のようなミスの連鎖が起きたのは3回の守り。無死一塁で三塁への送りバントをまさかの一塁悪送球で二、三塁に。1死後、二塁ゴロに打ち取り、三塁走者が飛び出したのを見て本塁送球したが、これもまさかの悪送球。2点を献上し、1死一、二塁から今度はまさかのバッテリーミスが3つ続いて2人の走者を返してしまった。

 重い4失点だったが、春夏連覇は簡単にはあきらめない。4回に3番田中の安打を足場に1死二、三塁とし、内野ゴロと7番小林の適時打で2点を奪う。5回には2死二塁で3番田中の一塁線を抜ける適時打で1点差に迫る意地を見せた。しかし、最終回は3者凡退に終わり、ベンチで泣き崩れた。

 村上林吉監督は「春夏連覇は難しいね」といい「互角といえば互角だったので、ミスをした方が負けるということだね。(世田谷西は)点の取り方をよく知っている。いま1歩、及ばなかったが、選手たちはよく頑張ったと思う」と、ねぎらった。

 ベンチでナインを鼓舞していた永山浬(かいり)主将は「優勝を目指していたので、悔しい。ベンチが盛り上げきれなかった。惜しいところまで頑張ってくれたスタメン組には感謝したい」と、涙で声を詰まらせた。

 表彰選手

 ◆表彰選手

 ▽最優秀選手 東修平(世田谷西)

 ▽敢闘賞 小林鉄三郎(中本牧)

 ▽優秀選手 大矢球道、田島翔、入江諒太(以上世田谷西)、北垣旺己、小田倉優真(以上中本牧)、渡部瑛太(札幌新琴似)、市丸輝空(瀬谷)

 ▽ベストナイン 投手・鈴木陽仁(中本牧)、捕手・延末遵太(世田谷西)、一塁手・八木遥風(瀬谷)、二塁手・田中将大(札幌新琴似)、三塁手・中村勇斗(世田谷西)、遊撃手・河内景虎(中本牧)、外野手・佐宗悠樹(世田谷西)、山元玲輝(中本牧)、田中歩希(中本牧)