「打てない打てないって騒ぐけど」西武・渡辺久信監督代行が吐露…「簡単ではない」GM兼任ゆえのジレンマと、無責任な声へのいら立ち

AI要約

渡辺久信はGMを兼任しながら11年ぶりに西武を指揮する監督代行として苦しい戦いを続けている。

GMとしてもチーム編成や将来を見据えた選手獲得に取り組んでおり、スカウトの優秀さを強調している。

西武は過去に多くのスケールの大きな野手を育て上げており、現役選手も多く活躍している。

「打てない打てないって騒ぐけど」西武・渡辺久信監督代行が吐露…「簡単ではない」GM兼任ゆえのジレンマと、無責任な声へのいら立ち

歴史的低迷に苦しむ名門ライオンズ。松井稼頭央監督から渡辺久信監督代行に交代後も、100敗ペースに近い戦いが続いている。後半戦に浮上の目算はあるのか。常に勝者だった渡辺監督代行が苦闘を激白する単独インタビュー。<全2回の後編/前編へ>

 今季途中から11年ぶりに西武を指揮する渡辺久信にとって、以前の監督時代と明確に異なる点がある。GMを兼任していることだ。

「簡単ではないですよね」

 監督代行として目の前の試合で勝利を目指しながら、GMとして中期的な強化も行わなければならない。

「現場の試合になったら本当に監督ですよね。ただ試合が終わった後、試合が始まる前、いろんな部分でGMということもあります。トレードの会見もいつも出てますし」

 2008年から西武を6年間率いてリーグ優勝&日本一1度、CS出場5度の成績を残して退任した後、2017年からシニアディレクターと編成部長を兼任し、2019年からGMを務めている。

 そして今季、就任2年目の松井稼頭央監督が休養となり、交流戦から監督代行も兼務し始めた。自ら現場に立つことで、チーム編成で必要な点が新たに見える部分もあるだろうか。 

「今年に限らず、将来を見据えたチームづくりをやっています。現場に入って、いろんな足りない部分がわかるところもあるし。でも、GMでやってきたときもずっとそのことを考えながら、将来を見据えて選手を獲っている」

 そう話すと、渡辺GMは筆者を含めてメディアに苦言を呈した。

「(シーズンの)結果がまだはっきり出たわけじゃないっていうか。ドラフトに関しても、うちのスカウトは優秀なんで。しっかりしたスカウティングをしながら、そういう選手をここ数年獲っている。チーム状態がこう(最下位)なので、野手がどうのこうの(育たない)とか、ドラフトが失敗したとか言われているけど、そんなのは全然ないと思います。だって今までうち、『野手の育成ナンバーワン』って言われていたんですよ」

 西武からスケールの大きな野手が育つ――。

 球界やメディアでは確かにそう言われてきた。現役に限れば、以下の選手が代表格だ。

・中村剛也(本塁打王6回、打点王4回)

・栗山巧(最多安打1回、2021年に通算2000安打達成)

・中島宏之(最高出塁率2回、最多安打1回)※現中日

・秋山翔吾(首位打者1回、最多安打4回)※現広島

・浅村栄斗(本塁打王2回、打点王2回)※現楽天

・森友哉(首位打者1回、最優秀選手1回)※現オリックス

・山川穂高(本塁打王3回、打点王1回、最優秀選手1回)※現ソフトバンク

・源田壮亮(新人王、盗塁王1回)

・外崎修汰(2019年プレミア12代表)

 ドラフト1位は森だけで、ファームで育て上げた選手ばかりだ。