なでしこ、あと一歩 悔やまれる攻め急ぎ―サッカー女子〔五輪〕

AI要約

なでしこは米国を困らせる戦術を展開し、主導権を握らせることなく試合を進めた。

なでしこは延長を含めて3人しか交代せず、米国はメンバーを固定していた。攻撃の機会を逃し、谷川の不在も影響を受けた。

戦いぶりは確かな積み上げが感じられ、次のステージに進める力を持っていると実感したが、結果に繋げることができなかった。

 なでしこが米国を困らせていたのは明らかだった。

 守備ブロックを敷き、長谷川、長野の配球力と前線の速さを生かした中盤からのカウンター。長谷川は「相手は(ボールを)持たされて嫌そうな感じもあったし、自分らは持たれても大丈夫という感覚」。ボール支配率は米国が71%だったが、主導権を握られていたわけではなかった。

 延長を含めた120分間で3人しか交代しなかったように、米国は1次リーグからメンバーをほぼ固定して戦った。なでしこは前半は失点しないことを重視し、相手の運動量が落ちた後半に勝負を懸けるプラン。もくろみ通りだった。

 しかし、攻め急いでしまった。クロスを入れてもゴール前に人数がそろっていないことが多く、遠い位置から浜野がロングシュートを狙ったのも、もったいなかった。「一つ一つの選択のところで、もう少し丁寧にできた」と長谷川。先手をなかなか取れず、流れを変えられる谷川はコンディション不良でベンチ外。PK戦に持ち込む前に個の力でゴールをこじ開けられた。

 前回の東京五輪、昨年のワールドカップと同じ8強止まりだが、戦いぶりは確かな積み上げが感じられる。熊谷は「かなわないな、と思う相手ではない。どの相手と戦ってもそう思えるところまで来ている」と実感を込めた。だからこそ、手応えを結果に結び付けたかった。