【日本ハム】宮西尚生“39歳、真夏の大躍動”大逆転勝利に貢献で前人未到の400Hへ王手  

AI要約

日本ハム宮西尚生投手が史上初の通算400ホールドに王手をかけた試合で、大逆転勝利に貢献した。

宮西は後輩のために流れを引き継ぎ、緊張感を感じながらも熟練のピッチングで無失点に抑えた。

宮西は新庄監督からのプレッシャーを受けながらも、楽しむことをテーマに大記録に向けて挑んでいる。

【日本ハム】宮西尚生“39歳、真夏の大躍動”大逆転勝利に貢献で前人未到の400Hへ王手  

<ソフトバンク7-8日本ハム>◇3日◇みずほペイペイドーム

 前人未到の大記録まで、あと1つ-。日本ハム宮西尚生投手(39)が史上初の通算400ホールドに王手をかけた。ソフトバンク戦(みずほペイペイドーム)で同点の6回に登板。走者を許しながらも熟練のマウンドさばきで無失点に抑えて今季6ホールド目を挙げ、チームの大逆転勝利に貢献した。今は「楽しんでやる」をテーマに投げている大ベテラン左腕が、ついに大きな節目に手をかけた。

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 宮西は真っ先に、影の殊勲者をたたえた。史上初の400ホールドに王手をかけた自分のことよりも「生田目に聞いてあげてください」。そう言って、自分の後ろを歩いていた右腕の方を向いてニヤリ。そして、大逆転勝利への流れをつくったのは「こいつのナイスピッチングでしょ。難しいところから行って4、5回としっかりつないでくれて。あれが全てやった」と6年目右腕をたたえた。

 後輩が必死に立て直した流れを、しっかり引き継いだ。6回に登板。1死から俊足周東に四球を与えたが、そこからが真骨頂。「いつも基本的にランナーは意識しないけど、試合も動いている状況で二塁へ行かすのはちょっとあかんなと」。4度のけん制、間合いも変えながらリーグ断トツ33盗塁の周東を一塁にくぎ付け。続く柳町は二ゴロに仕留め、暴投と申告敬遠で2死一、二塁とされたが最後は栗原を一ゴロに抑えた。

 大記録とは別の緊張感も感じながらの登板だった。「昨日(2日)、ハッパを掛けられた」相手は新庄監督。「万が一、打たれたとしても『今まで抑えてくれているから、こういう時もある』ではダメだよ。このままずっと抑え続けないといけないよ」と言われた。その場で宮西は「当然です。任せてください」と返答。でも内心は「めっちゃプレッシャーでした」。

 そんな新庄監督とのやりとりも“39歳、真夏の大躍動”の一因だ。現在のテーマは「楽しんでやる」。今季初昇格の際に指揮官からインスタグラムのDMで「頑張らんでいい。楽しめ」と送られてきた。偉大な実績がある分、自分を追い込む気負いもあったが、そのメッセージを見て長年背負ってきた「変な肩の荷が一気に下りた」という。「これは本当に辞めるまで、自分のテーマなんかな」。誰も成し遂げていない偉業も、楽しみながら達成する。【木下大輔】