【日本ハム】郡司裕也かっ飛ばした球団100本目サヨナラ弾「ホームラン見えたので狙いました」

AI要約

日本ハムがオリックスを7-6で破り、郡司裕也捕手が9回にサヨナラ本塁打を放ち100本目のメモリアルサヨナラ弾となった。

郡司はフルカウントからホームランを打ち、チームは今季最多の4発を含む8月初戦を勝利で飾り、後半戦初のカード勝ち越しを果たした。

郡司のヒーロー劇は、青春時代を彷彿とさせる響きの応援と、新庄監督の戦略が絡み合い、球団100本目のサヨナラ弾を飾る歴史的な一戦となった。

<日本ハム7-6オリックス>◇1日◇エスコンフィールド

 「さよなら郡司」が決めた。日本ハム郡司裕也捕手(26)が、6-6の同点で迎えた9回1死、左中間へ、自身初となる9号サヨナラ本塁打をたたき込んだ。これが球団通算100本目のメモリアルサヨナラ弾となった。今季4度目の3連勝で、6月14日以来48日ぶりの貯金6。チームとして今季最多の4発とド派手に8月初戦を飾り、後半戦初のカード勝ち越しも果たした。

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 「ひらめき郡司」がやってのけた。9回1死、フルカウントから、さらにファウルで3球粘った。「最初は出塁しようと思ったんですけど、球数重なっていくうちに、ホームランが見えたので。狙いました」。山田の9球目、146キロストレートを迷わずに振り抜くと「ぐんぐん郡司」の打球はどんどん伸び、左中間スタンドに吸い込まれた。

 「ふたやく郡司」をやりきった。新庄監督は、郡司が出塁し、俊足五十幡を代走に起用して得点するイメージだった。指揮官は「考えていたら、乾いた音がしたんで『うそ!? え、行っちゃうの?』みたいな。で、9回っていうのも忘れてて。終わったって。ありがとうって」。演出からフィニッシュまで、貫徹した。

 着火剤となったのは、懐かしい響きだ。この日は駒大苫小牧の吹奏楽局とのコラボ応援だった。自身は仙台育英3年時の夏の甲子園で準優勝。聖地を想起させるスタンドからの爆音に「すごい大きい音で応援されるのは気分が良かったです」。甲子園開場100年の節目の日に「のりのり郡司」が球団100本目のサヨナラ弾を、かっ飛ばした。

 歴史的1発は「かりすま郡司」への序章だ。試合前のファーストピッチにはアーティストGACKTが登場。投げる前に打者をにらみつけ、ボールの握りを見せつける“劇場型サウスポー”の演出に魅せられた。「カリスマ性というものを見せていただいたんで、僕も少し追いつけるように」。打力とコメント力を磨き、夏場の平日デーゲームに3万人を引き寄せた至極のオーラを、身につける。

 新庄監督は「バントがうまいと判断できたので。エンドランもできるしサヨナラホームラン、長打もある。あとはオフに足を速くしてもらえれば(笑い)。50メートル5秒7ぐらい、やってくれたら完璧な2番」。打って守って送れて走れる「ばんのう郡司」となり、ファンに夢を届ける。【永野高輔】