「ピッチ上で最も不運な選手」と“幻弾”に同情 スペイン戦先発11人を英記者採点…「才能の片鱗」を示したのは?

AI要約

U-23日本代表はパリ五輪男子サッカーの準々決勝でスペイン代表に0-3で敗れ、ベスト8で敗退した。FW細谷真大の活躍が光った一戦だった。

マイケル・チャーチ氏による選手採点では、細谷真大が7点で最高評価を受けた。他の選手も概ね平均的な評価が与えられた。

チャーチ氏は25年以上アジアサッカーを取材する英国人ジャーナリストで、日本代表や日本サッカー界にも精通している。

「ピッチ上で最も不運な選手」と“幻弾”に同情 スペイン戦先発11人を英記者採点…「才能の片鱗」を示したのは?

 パリ五輪男子サッカーの準々決勝が現地時間8月2日に行われ、大岩剛監督率いるサッカーU-23日本代表は、スペイン代表に0-3で敗れた。メダルには手が届かず、ベスト8で敗退が決定。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が先発メンバー11人を採点。オフサイド判定により“幻ゴール”で得点取り消しとなったものの、スペインゴールを脅かし続けたFW細谷真大には最高点が与えられた。

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 U-23日本代表のスペイン戦出場メンバー採点(10点満点)

<GK>

■小久保玲央ブライアン 6点

 グループステージでのパフォーマンスを考えると批判するのは難しいが、スペインの先制点となったフェルミン・ロペスのシュートに関してはGKのちょっとしたミスだった。とはいえ、2点目に対してできることはほとんどなかった。

<DF>

■関根大輝 6点

 スペインのサイドの強さに苦しめられ、この準々決勝では大会序盤ほど効果的ではなかった。それでも大会を通してみれば、才能の片鱗を示した。

■木村誠二 6点

 堅実なパフォーマンス。スペインの重要な最初の2点に対しては何もできず。全体的にまずまずの大会だった。

■高井幸大 6.5点

 後半にクロスバー直撃のヘディングシュートを放ったが、残念ながら得点にはならなかった。とはいえ、決まっていても0-3の状況では気休めにしかならなかっただろう。フランスの地で将来有望であることを示した。

■大畑歩夢 5.5点

 開始直後はナーバスで、比較的単調なパスをコントロールできず、相手にフリーキックを与えてしまった。徐々に落ち着きを取り戻したが、いつものように効果的な攻撃参加は見られなかった。

<MF>

■山本理仁 6点

 中盤で普段通りのダイナミズムと運動量だったが、トップクラスの相手にはそれほど効果的ではなかった。

■藤田譲瑠チマ 6点

 主審が試合終了のホイッスルを吹いた後に見せた涙が、このキャプテンの苦労を物語っていた。中盤で能力の高さを発揮していたが、スペインのクオリティーには及ばなかった。

■山田楓喜 6点

 堅実なパフォーマンスを見せていただけに、ハーフタイムでの交代は少し驚きだった。このウインガーのFKから細谷真大があわや同点という場面もあったが、ヘディングシュートはポストを叩いた。

■三戸舜介 5点

 開始11分で先制を許したが、そのきっかけは彼のボールロストからだった。献身的な努力で取り返そうとしたが、日本はファイナルサードの攻略に苦しんだ。

<FW>

■斉藤光毅 5.5点

 イスラエルとのグループリーグ最終戦で休養を与えられ、先発に戻ってきたが、この試合では静かだった。最後の15分に代わって出場した佐藤恵允はエリア内に侵入する力をチームに加えた。

■細谷真大 7点

 ピッチ上で最も不運な選手。センターフォワードとして素晴らしい働きの後で、わずかなオフサイドの判定で同点ゴールが認められず、前半終了間際のヘディングもポストを直撃した。力強いパフォーマンス。優れたポストプレーと最大限の努力を見せた。

[プロフィール]

マイケル・チャーチ(Michael Church)/アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。