【バドミントン】ワタガシペア「お荷物」から初2大会連続銅メダル「混合ダブルス」をメジャーに

AI要約

バドミントン混合ダブルスで「ワタガシペア」が2大会連続で銅メダルを獲得

混合ダブルスの競技普及に貢献し、日本バドミントン界に快挙をもたらす

渡辺勇大と東野有紗の活躍が混合ダブルスの注目度を高める

【バドミントン】ワタガシペア「お荷物」から初2大会連続銅メダル「混合ダブルス」をメジャーに

<パリオリンピック(五輪):バドミントン>◇2日◇混合ダブルス3位決定戦◇ポルトドラシャペル・アリーナ

 【パリ2日=藤塚大輔】バドミントン混合ダブルスで21年東京五輪銅メダル、世界ランク5位の「ワタガシペア」こと渡辺勇大(27)東野有紗(28)組(BIPROGY)が2大会連続で銅メダルを獲得した。3位決定戦で同2位の韓国ペア、徐承宰(ソ・スンジェ)蔡侑玎(チュ・ユジュン)組にストレート勝利。五輪での2大会連続の表彰台は、日本バドミントン界初となった。国内ではなじみが薄かった混合ダブルスを広く知らしめた2人。競技普及への思いも胸に東京五輪からの3年を駆け抜け、快挙を成し遂げた。

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 この瞬間のためだった。銅メダルを決める22点目が入ると、2人はコートに倒れ込んだ。渡辺が両手で床を2度たたく。東野が顔を覆う。第2ゲーム(G)の最終盤。マッチポイントを奪ってから2点差を追いつかれたが、ジュースの末に振り切った。2人は声をそろえた。「ホッとした」。重圧を乗り越え、2度目の銅メダルをかみしめた。

 「混合ダブルスはお荷物くらいに言われていた」。東野は寂しい思いを抱いていた。女子ダブルスでは12年ロンドン五輪で藤井、垣岩組が銀メダル、16年リオ五輪で松友、高橋組が金メダルを獲得。一方の混合ダブルスはリオ五輪までで3組が出場も、過去最高は準々決勝進出にとどまっていた。高校の公式戦でも正式種目には採用されていない。「ほとんど知られていない」と現状は厳しかった。

 その中での東京五輪の銅メダル。今が変化の時だと直感した渡辺は、翌22年4月にプロ転向。「自分やバドミントンの価値が上がる。活動の幅を広げ、子どもたちの選択肢を増やしたい」と望んだ。同時に決意したのは、東京五輪でも出場した男子ダブルスではなく、混合ダブルスへの専念。東野から「パリも男子ダブルスで出ないの?」と聞かれても、混合にこだわった。東野は「2種目をやっている時とは覚悟が違う」とうなずく。東京五輪後から世界選手権では2年連続準優勝。結果で示し続けた。

 今、東野のSNSにはたくさんのメッセージが寄せられる。「混合ダブルス面白いです」「やってみました」。世界ランキングで30位以内に入っている日本人ペアは、東京五輪前が3組だったのに対し、今は5組に増えた。渡辺は言う。「まだまだ混合ダブルスはマイナーだと思うけれど、盛り上げるためには結果が大事だった」。この銅メダルで、その声はもっと増えるだろう。混合ダブルス、面白いです-。