田中希実が5000m&1500mで前人未踏の挑戦、史上初の女子2種目入賞へ【パリ五輪陸上プレビュー】

AI要約

田中希実(24、New Balance)が陸上競技女子初の2種目入賞を目指して挑戦している。過去には5000mで8位、1500mで8位に入賞し、今季の状態も最高潮にある。

同一大会で2種目の決勝進出を果たしたことはない田中は、パリ五輪でのスケジュールがハードながらも、2種目入賞への意欲を見せている。

過去に五輪の陸上競技個人種目で2種目に入賞した選手は4人しかおらず、田中が2種目入賞を果たせれば、60年ぶり5人目、女子では史上初の快挙となる。

田中希実が5000m&1500mで前人未踏の挑戦、史上初の女子2種目入賞へ【パリ五輪陸上プレビュー】

陸上競技女子初の2種目入賞に、田中希実(24、New Balance)が挑む。田中は21年東京五輪1500mで8位に入賞、昨年の世界陸上ブダペストでは5000mで8位に入賞した。記録も東京五輪準決勝で3分59秒19、世界陸上ブダペスト予選で14分37秒98と、ともに日本新をマーク。5000mはブダペスト後に14分29秒18と更新した。

だが、同一大会で2種目の決勝進出を果たしたことはない。パリ五輪は5000m予選が8月2日、決勝が同5日に実施される。5000m決勝の翌朝(6日)に1500m予選、8日が準決勝、10日が1500m決勝と、かなりのハードスケジュールになる。2種目入賞への壁は高いが、今季の田中は“過去最高”の状態でパリ五輪に臨もうとしている。

■2種目入賞者は過去4人、前回は64年東京五輪の円谷幸吉

五輪の陸上競技個人種目で2種目に入賞した選手は、過去に4人しかいない。

南部忠平:1932年ロサンゼルス大会・男子三段跳1位&走幅跳3位

田島直人:1936年ベルリン大会・男子三段跳1位&走幅跳3位

村社講平:1936年ベルリン大会・男子5000m4位&10000m4位

円谷幸吉:1964年東京大会・男子マラソン3位&10000m6位

女子では石津光恵が1932年ロサンゼルス大会・女子円盤投7位&やり投8位になっているが、1976年モントリオール大会までは6位までが入賞と規定されていた。選手層の厚さが現在ほどではなく、特に戦前は参加国数も少なかった。

惜しかったのは21年東京五輪の廣中璃梨佳(23、JP日本郵政グループ)である。5000mに14分52秒84の日本新(当時)で9位に入ると、5日後の10000mで7位(31分00秒71)に入賞した。5000mであと1つ順位が良ければ、女子初の五輪2種目入賞を実現させていたことになる。田中がパリ五輪で2種目入賞を達成すれば60年ぶり5人目、女子では史上初の快挙になる。