勝ってようやく2勝8敗…中日にまだ5試合残っている『魔の木曜日』はね返すには“先発の踏ん張り”が大前提

AI要約

中日が久々に「魔の木曜日」を止めた試合で、カリステの同点三塁打やサヨナラ犠飛の村松、藤嶋の活躍が勝利につながった。

木曜日は中日にとって苦手な曜日であり、前回の敗北に続き2勝8敗という記録だったが、この日の勝利でその流れを変えている。

先発投手の活躍が「魔の木曜日」を克服する大前提であり、過去の試合を振り返ってもそれが裏付けられている。

勝ってようやく2勝8敗…中日にまだ5試合残っている『魔の木曜日』はね返すには“先発の踏ん張り”が大前提

◇渋谷真コラム・龍の背に乗って◇1日 中日3x―2ヤクルト(バンテリンドームナゴヤ)

 僕がひそかに名付けていた「魔の木曜日」を久々に止めてくれたのは、起死回生の同点三塁打を打ったカリステであり、サヨナラ犠飛の村松、そして9回を3人で抑え、流れを呼び込んだ藤嶋だろう。

 なぜ「魔」なのか。木曜日の中日は、とにかく弱かった。この日の劇的勝利でようやく2勝8敗。スケジュールの関係上、たまたま試合数は少ないものの当然、曜日別ではワーストだ。そもそも木曜日の試合は3週間ぶり。前回(7月11日、DeNA戦)は絶対的クローザーのマルティネスが、よもやのセーブ機会失敗で追い付かれ、京田のサヨナラ打に屈した。あまりに衝撃的な負け方に、僕は逆に「魔」が止まることを期待して待っていた。

 あれから3週間。零敗濃厚の終盤に、12人連続で打ち取られていた先発・吉村がアクシデントで降板したところから流れが急変した。2番手の大西は制球がままならず、押し出しで1点。9回は木沢から連続長短打で追いつき、最後は村松が決めた。

 勝って良かったが、木曜日はまだ5試合残っている。だから「魔」の理由を探っておく。通常はカード3戦目となる木曜日は、一般的には力の劣る先発投手が多くなる。だから曜日別打率では2割4分8厘と、土曜日(2割5分3厘)に次いで高い(3試合だけの月曜日は除く)。ところが平均2・4得点と効率が悪い上に、防御率4・74は曜日別でワーストである。ここまでの10試合で、先発は梅津が5、柳が4、メヒアが1。この日のように、先発が試合をつくること。前回勝った6月6日のソフトバンク戦(バンテリンドーム)もそうだった。柳が6回途中まで無失点で抑え、勝利の方程式につないで零封した。それこそが「魔」をはね返す大前提なのだ。

 そして、忘れてはいけないのが8回に村上を刺した橋本の一塁けん制。野球界でよく言われる「走塁死は流れが変わる」。まさしく格言通りの大逆転は、あの24個目のアウトから始まっていたのかもしれない。