パリ五輪ストライカー田中美南「魂でねじ込んだ」スライディング弾と美人なでしこ3人と1人「いつも一緒」泣ける写真、初出場&初ゴールの奇跡

AI要約

女子サッカー日本代表がナイジェリアに3-1で勝利し、グループリーグ突破を果たした。

北川ひかるの復活劇や田中美南のゴールなど、試合で起きた様々な出来事が話題になった。

チームはアメリカとの準々決勝に向けて、団結力を高めている。

パリ五輪ストライカー田中美南「魂でねじ込んだ」スライディング弾と美人なでしこ3人と1人「いつも一緒」泣ける写真、初出場&初ゴールの奇跡

 パリ五輪で奮闘を続けるなでしこジャパン。19歳の新星・谷川萌々子の後半アディショナルタイムのPK獲得(決めたのは、キャプテン熊谷紗希)、そして谷川の30メートル級の芸術ミドルで強豪ブラジルに逆転勝ちした女子サッカー日本代表は8月1日、グループリーグ突破をかけて、ナイジェリア戦に挑んだ。

  結果は、皆さんもご存じの通り、フィジカルで勝る相手をプレースピードなどで凌駕し、3-1の完勝。見事、グループC2位通過を決めた。

 準々決勝の舞台で待つのは、因縁の相手アメリカだが、この記事では、ナイジェリア戦で起きた、いくつかの事件、知られざるトピックを具体的な選手名とともに振り返っておきたい。

 まずは、チームに帯同しながらも、負傷の影響でこれまで出場機会を得られず、ナイジェリア戦で大会初出場。華麗なる復活劇で日本列島を沸かせた北川ひかるだろう。

 ナイジェリア戦では左ウイングバックで出場すると、タイミングの良いオーバーラップと左フォワード植木理子とのコンビで左からチャンスを何度も創出。

 22分の1点目は、彼女のタッチライン際の上がりに気を取られたナイジェリア守備陣の乱れから生まれたと言って過言ではないだろう。

 そして、極めつけは、42分にナイジェリアに1点を返された、前半アディショナルタイムのフリーキックだった。

「唯さんに蹴ってみたらと言われて…」

 最初は、プレースキッカーの長谷川唯に蹴ってもらおうと思っていたという北川。だが、長谷川に譲られる形で蹴ったボールは、美しい弧を描いてゴールキーパーの手を逃れ、ゴールネットに吸い込まれた。

 オリンピック初出場で初ゴール。これは、北川が「持っている」証拠だろう。

 一方で、出場機会に恵まれながらも「ゴールが遠かった」ストライカーもいる。エースFWの田中美南だ。ブラジル戦ではPKを止められ、さらに、見事な反転からのシュートもキーパーの正面。再三の決定機を逃し、試合後には涙を流す場面もあった。

 ナイジェリア戦の田中は、序盤から積極的だった。先制ゴールの10分後、自陣の高橋はなから出た鋭い縦パスを軽く触って軌道を修正して右奥のスペースに流すと、走り込んできた守屋都弥が追いついて絶妙なクロスを上げる。

 左から中央に走り込んできた植木理子のヘディングシュートがバーを叩き、跳ね返ってきたところを田中が倒れ込みながら押し込み、チーム2点目を挙げた。そのスライディング弾は、まさに魂のシュートと呼ぶにふさわしい、気合いの入ったものだった。

 試合後、「本当にゴールが欲しかった」と語った田中を含め、『サッカー批評』では3人の集合写真を撮影。田中、復活を遂げた北川、そして守屋都弥。守屋はスペイン戦で負傷離脱した清水梨紗の代わりに、左サイドバックを任され、ナイジェリア戦の田中のゴールにつながるクロスを上げている。

 3人は肩を組むと、田中は左手にユニフォームをかかげた。RISA――スペイン戦で負傷し、離脱を余儀なくされた清水梨紗のユニフォームだった。

「いつでも一緒」――3人は、ここにはいない1人の思いを背負い、強敵アメリカとの大一番を迎えるのだろう。そんななでしこジャパンを、皆さんも応援しましょう。