「トップ10もやっている」スパイ行為は東京五輪以前も?「カナダサッカー全体で一般的な慣行だった可能性が…」【パリ五輪】

AI要約

カナダ女子代表がパリ五輪2024でコロンビア女子代表と対戦し、ドローン偵察に関する調査が報じられた。

カナダ女子代表のコーチングスタッフがニュージーランド女子代表の練習をスパイ行為として行い、処分を受けた。

プリーストマン氏によってスパイ行為が続いていた可能性が浮上し、FIFAの調査が行われている。

「トップ10もやっている」スパイ行為は東京五輪以前も?「カナダサッカー全体で一般的な慣行だった可能性が…」【パリ五輪】

 カナダ女子代表は現地時間7月31日、パリ五輪(パリオリンピック)2024・女子サッカー競技グループリーグA組第3節でコロンビア女子代表と対戦し、1-0の勝利をおさめた。その裏では、ドローン偵察に関する調査が続いている。そして、スパイ行為が日常的だった可能性があると、カナダの公共放送局『CBC』が報じた。

 事の発端は、カナダ女子代表の初戦ニュージーランド戦が行われる前に、カナダ女子代表のコーチングスタッフの一員であるチームアナリストのジョセフ・ロンバルディ氏が、ニュージーランド女子代表の練習をドローンで偵察していたところ、捕まったことにある。それにより、カナダ女子代表は勝ち点6剥奪、カナダサッカー協会には多額の罰金が科せられ、ヘッドコーチのベブ・プリーストマン氏を含む3人のコーチは1年間の資格停止処分を受けることになった。これに対し、カナダオリンピック委員会(COC)とカナダサッカー協会はスポーツ仲裁裁判所(CAS)へ上訴したが棄却されている。

 そんな中、調査を続ける国際サッカー連盟(FIFA)が、プリーストマン氏の3月20日の電子メールの内容を公開した。同メディアは「スパイ目的でのドローンの使用は、カナダサッカーのシニア代表チーム全体で一般的な慣行だった可能性がある」と報じている。同メディアによると、先にチームアナリスト側のメールとして「道徳的な理由。分析分野での私自身の評判。そして、試合当日に自分の役割を果たせない可能性があることから、今後はジョセフと話し合い、他の解決策を模索する方法について技術チーム全体と協議するつもりだ。ただ、今度のキャンプと今後のキャンプで、私にスパイの役割を求めることは無いということだけは確認しておきたい。私の考えを尊重していただけると確信している。ご理解いただきありがとうございます」という内容で届き、それに答える形でプリーストマン氏が「それはアナリストがいつもやっていることであり、この件に関しては男子側で全体的なオペレーションがあることは知っている。昨日、会議で次のようなことを話し合った。私はスカウティングに関しては、勝敗の分かれ目となる可能性があり、トップ10のチームはどこもやっていることなので、別の解決策を提案するよう求めた」とのメールを送っており、同メディアは「プリーストマン氏の電子メールは、スパイ行為に関与することを望まないアナリストからの連絡を受けた後に届いたものだった。そのメッセージの中で、アナリストは、その慣行に反対する3つの理由を箇条書きで挙げていた」と伝えている。

 そして、スパイ行為が日常的だったかどうかの真相に迫るものもあり「言い換えれば、これは一人の人物([編集済み])によって始められ、プリーストマンによって継続された慣習だったのだ」という内容のものもある。編集済みになっている部分に関しては「カナダメディア『カナダプレス』とカナダメディア『スポーツネット』は共に、その人物が元女子・男子代表監督のジョン・ハードマンであると特定した。CBCは独自にその身元を確認していない」と、カナダの公共放送局『CBC』は報じている。

 プリーストマン氏は2006年から2011年までニュージーランド女子代表を率いた後、2011年から2018年まではカナダ女子代表を率いた。そして、パンアメリカン競技大会で金メダル、ロンドン五輪で銅メダル、リオデジャネイロ五輪で銅メダルに導いている。また、2018年から2023年までは男子のカナダ代表を率いており、その後はメジャーリーグサッカー(MLS)のトロントFCの監督に就任した。なお、プリーストマン氏はドローンを使用したスパイ行為の関与について否定している。カナダ女子代表のスパイ行為は東京五輪で行われた可能性が浮上しているが、それ以前から続いていたのかもしれない。