【宇野やアジズら新戦力も加入。清水はJ2首位を守れるか(1)】「いいオプションが増えた」と秋葉監督。スタッド・ランス戦で出場した「両新戦力」に手応え

AI要約

清水エスパルスが3連敗後、3連勝して首位に返り咲く。

新ブラジル人助っ人やボランチを補強し、チーム力を底上げ。

親善試合で外国人カルテットが活躍し、清水が圧勝。

【宇野やアジズら新戦力も加入。清水はJ2首位を守れるか(1)】「いいオプションが増えた」と秋葉監督。スタッド・ランス戦で出場した「両新戦力」に手応え

 今季序盤から首位を走りながら、6月に入って3敗してV・ファーレン長崎と横浜FCにかわされ、3位転落を余儀なくされた清水エスパルス。しかしながら、6月30日のファジアーノ岡山戦から、ジェフユナイテッド千葉、大分トリニータに3連勝し、トップに返り咲いたところで中断期間に突入した。

 その間、彼らは新ブラジル人助っ人のアブドゥル・アジズ・ヤクブとデュエルに強いボランチ・宇野禅斗を補強。ラスト14試合でJ1昇格へ一気に走り抜けるべく、戦力底上げを図っている。

 8月3日の再開ゲームは6位につけている難敵・ベガルタ仙台戦。4月20日のホームでの対戦は3-2で競り勝ったが、森山佳郎監督率いるフレッシュな集団は着実にチーム力を引き上げている。その後にぶつかるザスパ群馬、ヴァンフォーレ甲府も新戦力を獲得し、攻守両面の修正を図っているだけに、気を抜けない戦いが続くのだ。

 そんな清水にとっての1つの試金石となったのが、7月27日のスタッド・ランスとの親善試合だ。今年からランスのスポンサーに名乗りを挙げたヤスダグループの谷川烈CEOがエスパルスOBということもあり、実現したこの試合。秋葉忠宏監督は2トップにヤクブとドウグラス・タンキ、右MFにルーカス・ブラガ、左MFにカルリーリョス・ジュニオという外国人カルテットを前線に配置。ボランチも宇野と宮本を並べ、新戦力を加えたチームが機能するか否かをチェックしようと試みた。

 スタッド・ランスがプレシーズンで、伊東純也も「まだチームは20~30%の状態」という中ではあったが、清水はヤクブとタンキの競り合いの強さを有効活用すべく、長いボールを多用。推進力あるサッカーを展開した。前半27分の先制点はヤクブの力強いポストプレーからルーカス・ブラガが遠目の位置から蹴り込む形から生まれ、早速、新助っ人効果が表れた。

 前半終了間際のルーカス・ブラガの2点目も右SB北爪健吾のクイックリスタートに鋭く反応。一瞬のスキを突く見事なゴールだった。

 こうして前半から2点をリードし、優位に試合を運んだ清水は終盤に登場した乾貴士のスルーパスを成岡輝瑠が押し込み、3-0で勝利。同じ静岡のライバル・ジュビロ磐田が1-1で引き分けた相手に圧勝するという大きな成果を挙げたのだ。

「タンキを含め、外国籍の選手4枚でどういう化学反応が起きるのかという中で、アジスも素晴らしかったし、ブラガも2得点。ゲームキャプテンのカルリーニョスも3人を引っ張ってくれて、非常にいいオプションが増えたと思う。宇野も素晴らしい守備力を見せてくれたし、走行距離もかなりの数値だったし、評価に値する出来だった」と秋葉監督も満足そうにコメント。新戦力がいきなりプラス効果をもたらしたのは、再開後に向けての好材料と言っていい。