男子81キロ級の永瀬貴規が2連覇 野村忠宏らに続く3大会連続メダルの快挙/柔道

AI要約

永瀬貴規が男子81キロ級で2連覇を達成し、五輪史上初の連覇を果たした

永瀬は準々決勝で大外刈りで技ありを奪い、決勝では谷落としで一本勝ち

永瀬は猛練習と抜群の調整力で2度目の頂に立った

男子81キロ級の永瀬貴規が2連覇 野村忠宏らに続く3大会連続メダルの快挙/柔道

パリ五輪第5日・柔道(日本時間31日、シャンドマルス・アリーナ)男子81キロ級で、永瀬貴規(30)=旭化成=は決勝で世界選手権3連覇のグリガラシビリ(ジョージア)に一本勝ちし、2連覇を達成した。2016年リオデジャネイロ五輪の「銅」を合わせた3大会連続メダルは、男子で3連覇の野村忠宏、5大会連続の女子の谷亮子に続き3人目。

五輪史上初の81キロ級連覇という偉業を成し遂げた。強豪がしのぎを削るこの階級で2大会連続の金メダルを獲得した永瀬は、深々と一礼して表彰台のてっぺんに立つと、両手を上げて観衆の歓声に応えた。

「悔いなく自分の柔道を出すことを掲げていたので、私らしい柔道ができて、それが結果につながったと思う」

準々決勝は、延長6分49秒で世界ランキング1位で東京五輪銅メダルのカス(ベルギー)から大外刈りで技ありを奪って優勢勝ち。大きな関門を突破して勢いに乗ると、決勝は世界選手権3連覇のグリガラシビリを1分52秒、2分48秒と立て続けに谷落としで投げて、合わせ技一本で完勝。16年リオ五輪の銅メダル、21年の東京五輪の金メダルに続き、柔道日本男子で史上2人目の3大会連続メダルを獲得した。

東京五輪後は国際大会の優勝から遠のいた。「このままじゃ勝てなくなるよ」。22年の世界選手権で3位に終わると、全日本男子を率いる鈴木桂治監督は永瀬を叱咤した。気持ちが高まらず、技出しも遅い。指揮官の目にはそう映っていた。

げきを飛ばす一方で、指揮官が「柔道に関しては全く妥協しない男」と評する練習の虫だ。東京五輪後の初優勝となった今年3月のGSアンタルヤ大会から帰国した空港で翌日の予定を聞くと、「とりあえず道場には顔を出そうと思います」とけろり。コンディション面を考えて休むように促したものの、不安な指揮官が翌日に連絡をすると案の定、道場に行っていたという。

「五輪で勝ってこそ世界王者だと考えていた。パリで勝てば、今は負けてもいいというか、ポジティブに自分の目標はぶらさずにやってきた」と永瀬。経験豊富なベテランが猛練習と抜群の調整力で2度目の頂に立った。(山下幸志朗)