福岡大大濠の大将「切り札」で決めたV 手の内知る相手に「自信を持って狙った」【玉竜旗剣道男子】

AI要約

福岡第一との決勝で勝利を収めた福岡大大濠の関慶太郎が得意の技で決勝点を挙げ、重圧から解放された笑顔を見せる。

関慶太郎は幼少期から注目を集め、昨年のけがを乗り越えて、今回の大会での活躍が注目されている。

団体戦と個人戦のダブルタイトルを目指している関は、全国総体での活躍も期待されており、さらなる成長が期待されている。

福岡大大濠の大将「切り札」で決めたV 手の内知る相手に「自信を持って狙った」【玉竜旗剣道男子】

 ◆玉竜旗高校剣道大会男子(29日、照葉積水ハウスアリーナ)

 渾身(こんしん)の引き面で激闘に終止符を打った。福岡第一との決勝は大将同士の決戦へ。福岡大大濠の関慶太郎(3年)が延長の末に放ったのは得意の出ばな面ではなく、大会直前に磨きをかけた切り札だった。「相手は幼い頃から互いに手の内を知り尽くす選手。自信を持って狙った」。主将の関は、重圧から解放されたように穏やかな笑みを浮かべた。

 幼い頃から剣士として将来を嘱望され、小学6年と中学3年で個人戦日本一に輝いた。高校2年時の昨年5月に福岡県大会で左鎖骨を折った。その傷が癒えないまま大将として出場した同年夏の玉竜旗は準決勝で優勝した九州学院と当たり、大将同士の戦いで敗れた。森大樹監督は「つらい経験をさせたと思ったが、関には『強くなるための試練だぞ』と声をかけた」。世代トップクラスの技術に精神面も積み上げ、今夏の雪辱を期した。

 優勝候補の一角として臨んだ今大会。先鋒の中尾誠(3年)が初戦の2回戦で5人抜きをするなど流れを呼び込み、次鋒の林晃毅、5回戦から出場した中堅の矢野佑紀、副将の森大颯の2年生トリオもしっかりと役割を果たした。森監督が「絶対的大将」と信頼を寄せる関の出番は明豊(大分)との準々決勝と決勝のみ。指揮官は「前の4人がしっかりと戦ってくれた」と目を細めた。

 試合後、大旗を手にする関に涙はなかった。「負けて悔しい時は泣くことが多いんですけど、今は優勝したうれしさと責任感を果たした気持ちでいっぱい」。全国総体は団体戦と個人戦のダブルタイトルを狙う。小、中に続き高校でもチャンピオンへ。関の目はもう先を見据えている。(山崎清文)

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