大相撲名古屋場所、ドルフィンズアリーナ千秋楽 本場所会場の移転は80年代の蔵前国技館→両国国技館以来…歴史をひもとくと

AI要約

名古屋場所はIGアリーナでの最後の開催を迎え、照ノ富士と隆の勝の優勝争いが注目されている。

過去の本場所会場移転や名古屋場所での初の平幕優勝など、大相撲の歴史に繋がる出来事が振り返られている。

他の場所での優勝争いのエピソードも紹介され、地方場所の歴史や重要性が浮かび上がる。

大相撲名古屋場所、ドルフィンズアリーナ千秋楽 本場所会場の移転は80年代の蔵前国技館→両国国技館以来…歴史をひもとくと

 大相撲名古屋場所は28日、千秋楽を迎えた。来年から新設のIGアリーナで行われるため、ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で大相撲が行われる最後の日。優勝争いは2敗の横綱照ノ富士(32)=伊勢ケ浜=と3敗で追う東前頭6枚目の隆の勝(29)=常盤山=に絞られている。

 名古屋場所はIGアリーナが3カ所目の会場となる。最初の会場は名古屋場所が始まった1958年から64年まで開催された金山体育館。64年は14日目を終えて西前頭9枚目の富士錦が1敗で単独トップに立ち、ともに大関の北葉山と豊山が2敗で追う展開。千秋楽は両大関より先に相撲を取った富士錦が関脇北の富士を破り、14勝1敗で初優勝した。平幕優勝は61年夏場所を西前頭13枚目の佐田の山(のち横綱)が12勝3敗で優勝して以来。名古屋場所の平幕優勝はこの時が初めてだった。

 大相撲で本場所の会場が移転するのは、改修工事などによる一時的な変更を除けば1984年秋場所の蔵前国技館を最後に、85年初場所から現在の両国国技館となった東京場所以来。蔵前での最後の場所だった84年秋場所は14日目を終えて、1敗が西前頭12枚目の多賀竜(現鏡山親方)で、2敗が西前頭6枚目の小錦(現タレント)。千秋楽は先に相撲を取った小錦が敗れ、その時点で多賀竜の優勝が決定。多賀竜は本割で敗れたが、13勝2敗で初優勝を飾った。

 九州場所は、現在の福岡国際センターでは81年から行われている。九電記念体育館で最後に開催された80年はともに横綱の2代目若乃花と輪島が1敗で並んで千秋楽を迎え、輪島が勝った後に若乃花が負け、輪島の14度目の優勝が決まった。翌年の春場所中に引退した輪島にとって最後の優勝だった。春場所は、大阪で開催されるようになった53年から現在のエディオンアリーナ(大阪府立体育会館)で行われている。