「まだ伸びしろが十分にある」流経大柏がNBC in 堺ユースフェス決勝で関西大北陽に1-0で勝利。7連勝で「狙って」優勝

AI要約

流経大柏がNBCin堺ユースフェスで関西大北陽高を1-0で下し優勝

流経大柏が攻撃力を発揮し、セットプレーで先制点を奪った試合展開

選手たちはさらなる成長を目指し、全国タイトルを獲得する意欲を示す

「まだ伸びしろが十分にある」流経大柏がNBC in 堺ユースフェス決勝で関西大北陽に1-0で勝利。7連勝で「狙って」優勝

[7.23 NBCin堺ユースフェス決勝 流通経済大柏高 1-0 関西大北陽高 J-GREEN堺S2]

 流経大柏が、「狙って」カップ戦を制した。「ニューバランスカップ(NBC) in 堺ユースサッカーフェスティバル(2024)」決勝が23日にJ-GREEN堺S2ピッチで行われ、流通経済大柏高(千葉)が1-0で関西大北陽高(大阪)に勝利。参加32チームの頂点に立った。

 プレミアリーグEASTで首位争いを演じている流経大柏は今大会、決勝トーナメント3試合を14得点無失点。予選リーグから6連勝で決勝進出を果たした。決勝の先発はGK丸山ジェフリー(2年)、右SB松本果成(3年)、CB奈須琉世(3年)、CB富樫龍暉(3年)、左SB堀川由幹(3年)の4バック、アンカーが飯浜空風(3年)、2列目に和田哲平(3年)、昇純希(2年)、ゲーム主将の柚木創(3年)、亀田歩夢(3年)が並び、1トップを粕谷悠(3年)が務めた。

 一方、関大北陽は予選リーググループFを1勝2分で首位突破。準々決勝でプレミアリーグ勢の鹿児島城西高(鹿児島)を6-0で破るなど、こちらも決勝トーナメントの3試合を無失点で決勝へ駒を進めた。先発はGK小出新汰(3年)、右SB岡崎瑛煌(3年)、CB長谷川陸斗(2年)、CB中村幸誠(3年)、左SB中西真也(3年)の4バック、中盤は主将の岡野瑛心(3年)と西村敬也(2年)のダブルボランチで右SH真田京太郎(3年)、左SH宮垣健人(2年)、前線に古谷心和(2年)と衣川哲平(2年)が構えた。

 立ち上がりから流経大柏がボールを保持。右SB松本が高い位置で攻撃に加わるなど相手を押し込んだ。9分には、柚木を起点とした攻撃から亀田がドリブルシュート。ブロックされたこぼれを再び左足で狙う。

 流経大柏はサイドの局面で人数を掛けて崩そうとするが、関大北陽の前のからのプレッシングと同サイドに人数を掛けて奪い切る守備の前になかなか攻め切ることができない。また、関大北陽は怪我のCB市東陸(3年)に代わって先発した長谷川や中村が中央へ入ってくるボールに的確な対応。前半半ばごろからは、181cmの長身MF岡野が奪い返しの数を増やして見せる。

 そして、速攻にチャレンジ。22分には古谷が右サイドを個の力で打開し、クロスを上げる。また、24分には岡野のインターセプトを起点にショートカウンターを繰り出し、宮垣がワンツーから右足シュート。26分にも、中西の跳ね返しから衣川が一気に仕掛けて左足シュートを放った。

 流経大柏は亀田がドリブルシュートを打ち込んだほか、柚木の縦パスから和田がゴール前に潜り込む。30分ハーフの前半終了間際には奈須がタックルでボールを奪い、速攻へ持ち込むシーンもあった。だが、関大北陽の集中した守りを上回ることができないまま30分が経過。それでも、セットプレーで先制点を奪う。30+3分、柚木の左CKを奈須が頭で右隅へ流し込み、1-0で前半を折り返した。

 後半、流経大柏はボールを支配する時間を増加。関大北陽ゴールを目指し続ける一方、相手に速攻の機会を与えない。堀川や亀田がドリブルでサイドの局面を打開したほか、昇と柚木がボールに係わり続けて崩しにチャレンジ。失っても、運動量豊富な粕谷や飯浜らが圧力を掛けてすぐに奪い返して見せる。

 関大北陽は後半、MF徳田浩一郎(3年)、MF相馬彩人(2年)、CB菅心生(2年)、MF井上宏太(2年)を投入。我慢の時間帯が続く中でも、集中力を切らさずに1点差を維持して相手にプレッシャーをかけた。矢田竜之監督も評価した堅守。ただし、指揮官は「奪ってから、あとはどうしていくかっていうところを。このレベルの相手になると、もう少しクオリティ上げていかないと、やり合うことはできない」と指摘する。岡野のFKに中村が飛び込むシーンがあったものの、自陣の深い位置でのプレーが続いたこともあり、なかなか速攻の精度を上げることができなかった。

 一方、後半に右SB稲田斗毅(3年)、MF葛西亮太(3年)を加えた流経大柏は24分、柚木が左サイドから放った右足FKがファーポストをヒット。追加点を奪えなかったものの、GK丸山や左SB堀川が一際声を発し続け、奈須、富樫の両CBも隙を見せない。最後はDF佐藤夢真(3年)を最終ラインの中央へ投入して試合を締めた。

 流経大柏が1-0で勝利。榎本雅大監督は「自信を深める大会になったと思う。優勝するって言って優勝するっていうのは案外難しいこと。(その中で)決勝トーナメント入ってから、やっぱりゼロで終われたっていうのは、1つ彼らの成長かなとも思う」と評価する。この日2試合目となった決勝は流れの中から得点することができなかったが、セットプレーでの1点を守って勝利。自慢の攻撃力で圧倒して勝つだけでなく、難しい戦いで勝ち切る経験も積んで大会を終えた。

 今年は柚木や亀田、堀川の技巧や松本、和田の走力、奈須の高さなど各選手がピッチで個性を発揮。スケール感の大きなチームになっている。プレミアリーグEASTで首位を快走したが、6月のインターハイ千葉県予選決勝で宿敵・市立船橋高に敗戦。プレミアリーグも中断前の横浜FCユース戦と柏U-18戦で連敗して前半戦を終えた。

 主将の奈須が、「やっぱこの夏でほんとに大きく変わらないと。(プレミアリーグの)後期も対策もされますし、自分たちも何か変化を起こして違いを見せていかないといけない」と語るなど、選手たちが変わらなければならないことを自覚してスタートした夏。榎本監督が「まだ伸びしろが十分あると思う」というチームは、「ニューバランスカップ(NBC) in 堺ユースサッカーフェスティバル(2024)」で一つ成長することに成功した。

 選手たちはさらなる成長へ貪欲。奈須は「自分もそうですし、チームとしても一皮、二皮剥ければ、ほんとに強い流経をまた実現できる」と語り、堀川は「プレミアリーグ取れる位置にいるんで、そこを取ること。選手権もしっかり千葉県大会取って日本一狙っていけるようにやっていけたらいい」と目標を掲げた。「伸びしろが十分にある」流経大柏がより強いチームになって、全国タイトルを獲得する。