貴景勝、会心の一番 反転へのきっかけに―大相撲名古屋場所

AI要約

貴景勝が大関復帰を目指す霧島を圧倒し、3勝目を挙げる。

古傷の影響で苦しい戦いを強いられつつも、準備を整える貴景勝。

師匠の見守る中、勝負の後半戦で流れを変えるために奮闘する貴景勝。

貴景勝、会心の一番 反転へのきっかけに―大相撲名古屋場所

 会心の一番だった。

 大関かど番の貴景勝が1場所での大関復帰を目指す霧島を圧倒。鋭く踏み込み、引きにも乗じて土俵下まで押し出した。3日ぶりの白星でようやく3勝目を挙げ、「勝たないといけない。負けるよりはいいと思う」。表情は引き締まったままだった。

 首の古傷が悪化し、5月の夏場所を2日目から休場。今場所前に十分な稽古を積めなかった影響からか、押し勝っても一気に持っていく馬力が見られなかった。何度も窮地を脱してきたが、黒星が大きく先行した状況で8日目を迎えた。

 朝稽古では、てっぽうなど基本動作を確認し、筋力トレーニングにも励む。万全の状態には遠い中、「強くなったり、弱くなったりはしない。自分の力を出せるように準備をするしかない」と真摯(しんし)に土俵と向き合う。

 師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)はあえて助言することなく見守る。この日の朝には「一気に持っていくような相撲を取れたら、きっかけになることもある」。横綱、大関戦も控える勝負の後半戦。流れを変える1勝にしたいところだ。